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くすりのQ&A

過敏性腸症候群(IBS)について

通勤途中でおなかが痛くなる、試験や会議の前におなかが痛くなる……、こんな経験ありませんか??
体質だと思っていたこれらの症状、それは過敏性腸症候群(IBS)かもしれません。
今回はテレビのコマーシャルでも話題の『IBS:過敏性腸症候群』について、その症状、原因、治療法などをご紹介します。
過敏性腸症候群とはどんな病気ですか?
過敏性腸症候群とは、大腸や小腸に原因となる異常が見つからないのに、便通異常(便秘や下痢)と腹部症状(腹痛・腹部不快感)が続く病気で、大きく3つのタイプに分けられます。
  1. 下痢型:頻繁におなかが痛くなり、下痢を繰り返す。泥状便・水様便が多い。男性に多く見られる。
    例:緊張するとおなかが痛くなり下痢をする
      電車に乗るとおなかが痛くなりトイレにかけこむ
  2. 便秘型:便秘が続き排便の前におなかが苦しくなることが多い。硬い便・コロコロ便が多い。女性に多く見られる。
    例:何日も排便がなく、コロコロした硬い便しか出ない
  3. 混合型:下痢型と便秘型の症状を繰り返す。
この他、いつもおなかが張った感じがする、よくおならが出る、吐き気や嘔吐がある、頭痛、肩こり、気分の落ち込みなどの症状が現れる人もいます。
過敏性腸症候群の原因について教えてください。
過敏性腸症候群の原因は様々ですが、まだはっきりとはわかっていません。主にストレスが原因と言われていますが、その他に腸管の働きの異常、腸が過敏になっている、炎症が完全に治りきっていないことなどが原因とも考えられています。
過敏性腸症候群の治療法は?
まずは食生活の改善や適度な運動、十分な睡眠と休養をとることを心がけます。それでもだめなら、症状や体質に合わせて薬による治療を行います。
  1. 便通を整えるお薬
    • 高分子重合体(ポリカルボフィルカルシウム細粒など)
      便に含まれる水分の量を調節して、便をちょうどいい硬さに保ちます。
    • 消化管運動調節薬(トリメブチンマレイン酸塩錠など)
      胃腸の働きを調節して、便通異常・腹痛を改善します。
    • 整腸剤(ビフィズス菌製剤、耐性乳酸菌製剤など)
      腸内環境を整えて便通異常を改善します。
  2. 下痢を止めるお薬
    • 腸管運動抑制薬(ロペラミド塩酸塩など)
      腸の運動を抑制して、下痢を止めます。
  3. 排便を促すお薬
    • 下剤(酸化マグネシウム、センノシド錠、ピコスルファートナトリウムなど)
      腸の運動を活発にしたり、便をやわらかくしたりします。
  4. 腹痛をやわらげるお薬
    • 抗コリン薬(チキジウム臭化物カプセル、ブチルスコポラミン臭化物錠など)
      腸の異常な運動を抑え、腹痛をやわらげます。
    • 漢方薬(大建中湯など)
      腸の働きをよくして、腹痛や腹部膨満感をやわらげます。
  5. 男性の下痢型過敏性腸症候群に用いられるお薬
    • セロトニン受容体拮抗薬(ラモセトロン塩酸塩錠)
      腸の運動を亢進させるセロトニンという物質の働きを抑えることで、腸の運動異常や痛みを感じやすい状態を改善する、男性の下痢型過敏性腸症候群における新しいお薬です。副作用として便が硬くなりすぎることがあります。
  6. ストレスをやわらげるお薬
    • 抗不安薬(フルボキサンマレイン酸塩錠、タンドスピロンクエン酸塩錠など)
      不安や焦りをやわらげます。
腹痛、腹部不快感や下痢、便秘など、過敏性腸症候群の特徴的な症状は、ほかの病気が原因で起こる可能性もあります。自分で判断せずに、医療機関を受診して確かめることが大切です。