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がん種類別取組/胃がん

胃がんについて

1.胃がんの動向
 日本は世界で胃がんの多い国です。
 人口分布をそろえた胃がんの調整死亡率は低下していますが、死亡率は低下していません。肺がん・大腸がん・膵がんの年齢調整死亡率が増加傾向にあるのに対し、胃がんに関しては男女とも低下しています。しかし、死亡率は減少しておらず、特に男性では3万人強で一定しています。
2.H.pylori感染と胃がん
 加齢のためと考えられていた慢性萎縮性胃炎の伸展はH.pylori感染者だけに見られることがわかり、H.pylori感染は組織学的胃がんの主たる要因と考えられ、H.pyloriに感染していないヒトに胃がんが発症することは少ない。
 H.pyloriの感染率が一定であれば、高齢化にしたがい胃がんの発症率が高くなると考えられますが、近年の若年層におけるH.pylori感染率の低下と相関し胃がん羅患率が減少しています。
 胃がん発症の食物要因と考えられています塩分摂取は、H.pylori感染胃炎がなければ発症に影響を与えないと言われています。
3.胃がんの促進因子と防御因子
高塩分食:促進作用として確からしい
果  実:防御作用として確からしい
野  菜:防御作用をする可能性がある
喫  煙:胃がん発症の危険因子の一つ
アルコール:喫煙との相乗効果で噴門部がんの発生リスクを上昇させることが報告されているが、単独では胃がん発症の危険因子とは考えにくい
4.胃がんの治療方針

5.内視鏡的切除後治療について
6.腹腔鏡補助下胃切除について
腹腔鏡(補助)下胃切除術はガイドラインでは日常診療として推奨されるには至ってはいませんが、低侵襲で有望な治療法療法と期待されています。当院でもT1N1、T2N0までの症例で患者様のICが得られた症例に対し積極的に行っています。
 平成16年に導入し、平成22年5月現在、幽門側胃切除、噴門側胃切除、胃全摘術など200例以上の手術を行い、良好な経過を得られています。
7.術前化学療法について
 外科的治癒切除が可能かどうか疑わしい症例に関しては、カンファレンスなどで検討し、十分な説明で了解を得られた場合に術前の化学療法を行っています。
 腹腔鏡による腹腔内観察や、腹腔内洗浄細胞診を行い治療方針を決定することもあります。術前化学療法の主なレジメンを以下に示します。
 TS1単独  TS1+CDDP  TS1+タキソテール
8.術後補助化学療法について
 StageⅡ、Ⅲに対してはTS1が有効であることが示されました(臨床試験ACTS-GC)。
 症例に応じてCDDP、タキサン系薬剤などを併用しています。
9.切除不能進行再発胃癌に対して
 TS1を核とした種々のレジメンの臨床試験として行われています。
 近年のTS1を始めとした新規抗癌剤の出現により、胃癌の化学療法は劇的な変化を遂げています。治療効果や副作用などを考慮に入れ、個々の症例に最適な化学療法(テーラーメイド治療)を行えるよう努力しています。