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がん種類別取組/肝がん

肝癌について

1.肝癌とは
 肝臓は右上腹部を中心に存在する体内最大の臓器で,栄養分の貯蔵、蛋白質などの合成、有害物質の解毒など、人間が生命を維持するために不可欠な働きをしています。
 ここにできる癌が肝癌で、「原発性肝癌」と、別の臓器に発生した癌が肝に転移した「転移性肝癌」に分けられます。原発性肝癌は肝臓に発生した癌で、肝細胞から発生した「肝細胞癌」と肝内胆管から発生した「胆管細胞癌」に大別できますが、95%が肝細胞癌ですので、ここでは肝細胞癌についてご説明します。
2.肝癌の動向
 2011年に癌で死亡した人は357,305例で、そのうち肝臓の癌は31,845例で肺、胃、大腸に続いて第4位でした。死亡率は1990年代をピークに緩やかに減少しています。
3.肝癌の原因
 肝癌の原因として最も多いのが肝炎ウィルスの持続感染によるものです。肝炎ウィルスにはA、B、C、D、Eなど様々な種類がありますが、主にB、C型肝炎が肝癌と関係しており、肝細胞癌の約70%がC型肝炎から発生しています。肝炎を指摘されている方は定期的な検査が必要です。また、肝炎に加えて、飲酒は肝癌発生のリスクを増大させます。
4.肝癌の症状
 初期には肝細胞癌特有の自覚症状はほとんどありません。癌が大きくなると腹部のしこり、痛みなどを感じる場合があります。他に慢性肝炎、肝硬変に伴う症状として食欲不振や倦怠感、腹水、黄疸などの症状が出る事があります。
5.肝癌の治療方針
 慢性肝炎、肝硬変を背景にしていることが多いため、癌の病期(ステージ)だけではなく、肝臓の状態によっても治療方針が異なります。
6.肝切除について
 肝切除を行う場合,肝予備能(ICG検査)などによって切除範囲が制限されます。
(肝硬変合併肝癌に対する肝切除の幕内基準)
7.局所療法について
 局所療法とは体の外から針を刺して、癌を焼灼する方法です。小さい腫瘍が良い適応ですが、腫瘍の位置によってはできない場合があります。
8.肝動脈化学塞栓療法(TACE)
 肝動脈に細いカテーテルを挿入し、腫瘍に流入する血管に抗癌剤と塞栓物質を注入する方法です。
9.全身化学療法
 肝以外に転移している場合など,上記の治療ができない場合に選択されます。