トップ > 診療科紹介 > 外科

外科

私たちの“外科”はこれまでと違って大きく変化しつつあります。いわゆる各臓器別の専門性とチームとしての活動が主体となり、患者さんを中心に診療を進めていくなどの医療です。
それでも、以前からの基本姿勢に変わりはありません。つまり、“最も適切な治療”を“安全かつ確実”に“信頼性”をもって行うことです。
適切な医療
 最近よく耳にする“標準医療”とはまさにこのことで、いわゆるEBM(evidence based medicine)に基づいた医療です。それは、まず患者さんがお受けになるべき、十分に認められている医療のことです。私たちはそれを基準に、一人ひとりの患者さんに最も適切な医療を提供するように心がけています。クリニカルパスはそのためのツールであり、積極的に利用しています。

安全かつ確実
 これには私たち外科医のスキルアップと、患者さんを感染などから防御するための予防策からなります。スキルアップには各メンバーのたゆまぬ研鑽が必要です。当科は4人の消化器外科専門医と2人の乳腺外科専門医、そして鏡視下手術に必要な内視鏡外科技術認定医を擁しています。感染の防御についてはSSI(創感染率)を外科として公表することにより、その充実に努めています。

信頼性
 インフォームドコンセントはすでにその歴史は古く、今や当院を含め多くの施設での常識になっています。患者さんに充分に説明し、納得のもとに治療を選択していただくものです。私たちはそれらを包括したより大きい信頼性こそが大事なものであると考えています。

地域との医療連携
 全国にさきがけて連携パスを実現しています。特に“がん診療連携拠点病院”として全員がその一役を担っています。

医師の研修
 若い医師の育成こそが今後の日本の医療の発展に欠かせないものです。私たちはそのカリキュラムに改良を重ね、また全員が何らかの教育に係わるように定め、より良い研修制度に心がけています。

部長 : 廣瀬 由紀

専門医制度と連携したデータベース事業について

「外科・呼吸器外科を受診されている患者さんへ」
 我が国の医療の現状(どのような場所でどのような医療が行われているか)を把握するため、一般社団法人を立ち上げ、データベース化を開始することになりました。当院も平成23年1月1日より参加しますので、ご理解とご協力をお願いいたします。
また、患者さんやご家族の方が登録を拒否したい場合はお申し出くださるようお願いいたします。
詳細はこちら

術後の苦痛が少ない内視鏡(腹腔鏡)手術

お腹に5ミリ〜2センチほどの小さな穴を開け、そこから内視鏡と手術器具を入れて手術をする、充分な技術が必要な方法です。
傷が小さいので、術後の患者さんの苦痛が少なく安静期間も短くなります。
現在までに,胆嚢摘出800例以上,大腸切除150例以上,胃切除100例以上が行われています。
また当科には内視鏡外科学会技術認定医がいます。
詳細はこちら
内視鏡(腹腔鏡)手術

人工乳房・皮膚組織拡張器の乳房再建術

 これまで乳房再建術で保険適用となるのは、お腹や背中の組織を利用する自家再建のみでした。厚生労働省は7月から人工乳房と皮膚組織拡張術の乳房再建術を保険適用とすることを決定しました。
 当院では従来から外科と形成外科の医師が連携し、人工乳房を使用した乳房再建術を行っておりましたが、福井県内の病院で保険適用となったのは現時点では当院のみです。
 乳がん治療で乳房を切除した後に、胸の膨らみを取り戻す「乳房再建」には、自分のお腹や背中の組織を移植する方法と、人工乳房を入れる方法があります。患者さんのQOL向上を目的とした乳房再建術においては、ゲル充填人工乳房(ブレスト・インプラント)や皮膚拡張器(ティッシュエキスパンダー)の使用が一般化しています。
 2013年7月1日より、ゲル充填人工乳房および組織拡張器(乳房用)が新たに保険による診療の対象となり、厚生労働省は「安心・安全に医療を行える施設のみ使用を許可する」とし、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会が認めた病院で、認定を受けた医師のみ行うことができます。
 当院は、先駆けて福井県内では最初(2013年7月9日)に同術の実施体制の整った施設として学会の認定を受けました。乳癌の経過観察を行う乳腺外科医と形成外科医が連携し、ブレスト・インプラントを適正に患者に使用し、長期にわたり安全性を確保できる体制を整えております。

腹腔鏡下鼠径(そけい)ヘルニア修復術とは?

鼠径(そけい)ヘルニア(脱腸)とはどのような病気?
 男性では、生まれる前に体の中でできた睾丸(金玉)が腹膜を伴いながら下腹部の筋肉の間のトンネルを通ってからだの外に出てきます。睾丸が体の外に固定されると腹膜のトンネルが閉鎖します。子供のヘルニアはこの腹膜の袋が残ることが原因です。大人の鼠径(そけい)ヘルニアは子供のときに一度閉鎖したトンネルが周りの筋肉が弱くなったりすることが原因で、再び開いてしまうことが原因となることが最も多いです。女性ではヘルニアは男性より少ない傾向がありますが、子宮を固定している靭帯が通過するトンネルが原因でヘルニアが起こることが多くあります。すなわち鼠径(そけい)ヘルニアは下腹部の弱くなった筋肉のつなぎ目の部位に穴があいてトンネルができ、おなかの中の腸管や卵巣が脱出する病気です。原因や穴の場所は一つではありませんので確実な診断と治療が必要です。
 症状としては、立った時やおなかに力を入れた時に、足の付け根に軟らかい腫れを感じる程度で、横になったり指で押さえると通常は引っ込み、痛みがなく放置されている場合が多いと思われます。一方で、飛び出した腸などがすき間にはまり込んで元に戻らない状態のこともあります。この場合は血流が滞って腸閉塞を引き起こす可能性もあるので、「激しい痛みや腫れが急に固くなった」「指で押さえても引っ込まない」といった場合は注意が必要です。そのような状態をカントン(嵌頓)と言い、カントン(嵌頓)が起こると最悪の場合にはカントン(嵌頓)してとび出た腸や卵巣が腐り、腸管や卵巣を切除しなくてはいけなくなるような命に関わる手術になる場合もあります。成人鼠径ヘルニアの治療法は手術だけです。ヘルニアを放置していると穴は時間とともに次第に大きくなり、体の外の睾丸に向かってだんだん大きく膨らんできます。時にはとび出た腸管がもどらなくなることがあります。

鼠径(そけい)ヘルニア(脱腸)の治療
腹腔鏡でみた鼠径ヘルニアの穴
腹腔鏡でみた鼠径ヘルニアの穴

 成人の鼠径ヘルニアの治療法は手術だけです。手術法にはいくつかの種類があり、治療法は病院によって異なっています。どの手術でも筋肉のつなぎ目に開いた穴を閉じて治療する手術なので手術後はある程度の痛みや突っ張り感を伴う場合が多くあります。
 当科で昨年7月から本格導入した「腹腔鏡下ヘルニア修復術(ラパヘル)」は、おなかに直径数ミリから1センチぐらいの小さな穴を3カ所開けて行います。腹腔鏡でおなかの中を見ながら、筋膜のすき間をメッシュ状のシートでふさぎ、弱っている筋膜を広い範囲で補強する方法です。
 本方法は腹腔鏡で観察できるため、すき間の位置や他の部分に異常がないかを正確に診断できるほか、反対側や別の場所にすき間があっても同じ穴から治療できます。手術時間は1時間半から2時間程度で、通常は5日間程度の入院で行っています。お腹を切る手術に比べ痛みが少なく、手術の翌日からほぼ日常通りに生活できるため、入院期間がさらに短くなる可能性があります。
 ただし、以前に下腹部を手術した人は、内部の癒着で腹腔鏡による手術が難しい場合があります。また、全身麻酔が必要なため、高齢で呼吸の機能が弱っている人には適さない場合もありうるので、従来行ってきたお腹を切る方法がいいかを医師とよく相談して選択していただきたいと思います。

レディース外来

○ 第2・4水曜日 予約制
「男性医師に話しづらい」「診てもらうのは恥ずかしい」など、女性の健康に関する様々な悩みに女性スタッフが対応いたします。女性のための専門外来です。
詳細はこちら
レディース外来

専門外来

○ 月・水・木・金曜日(予約制) 13:30〜16:30
  ストーマ外来
○ 水・金曜日 13:30〜(受付時間 14:30まで)
  乳腺外来

診療実績

グラフ表示
手術別手術症例数
  平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年
食道切除術 7 5 2 3 2
乳房切除術 30 29 29 34 40
乳房温存術 37 36 38 53 43
胃全摘術 8 7 16 17 10
噴門側胃切除術 1 1 0 0 1
幽門側胃切除術 0 22 15 15 9
腹腔鏡下胃切除術 5 3 5 0 5
腹腔鏡下幽門側胃切除 27 19 18 31 17
腹腔鏡下噴門側胃切除 5 1 1 0 5
腹腔鏡下胃全摘術 7 13 8 3 6
結腸切除術 30 38 40 46 37
前方切除術 13 16 8 8 5
直腸切断術 4 3 6 5 9
腹腔鏡下結腸切除手術 39 39 38 36 53
腹腔鏡下直腸切除術 14 13 18 20 30
腹腔鏡下大腸切除術 0 0 0 1 0
虫垂切除術 46 41 29 27 8
腹腔鏡下虫垂切除術 24 53 43 58 72
痔手術 28 12 12 10 11
肝部分切除術 5 4 7 8 6
肝亜区域切除術 2 1 1 3 0
肝区域切除術 5 5 5 3 1
肝葉切除術 3 6 4 4 3
胆嚢摘除術(開腹) 20 20 27 15 20
腹腔鏡下肝切除術 5 6
腹腔鏡下胆のう切除術 98 69 90 93 97
膵頭(十二指腸)切除術 13 10 8 6 12
膵尾側切除術 6 3 4 3 5
鼡径大腿ヘルニア術 118 118 120 79 58
腹腔鏡下鼡径大腿ヘルニア手術 37 82
腹腔鏡下膵体尾部腫瘍切除術 1
胆管悪性腫瘍手術 3
合計 595 587 592 623 655
疾患別手術症例数
  平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年
食道癌 7 5 2 2 3
乳癌 64 72 64 83 84
胃癌 69 69 65 66 46
結腸癌 74 73 71 71 77
直腸癌 23 33 27 29 36
虫垂炎 69 92 66 83 81
原発性肝癌 10 8 9 12 8
移転性肝癌 9 9 9 8 7
胆石胆嚢炎胆嚢ポリープ 108 79 99 100 114
胆嚢癌 4 8 10 5 4
胆管癌 9 2 8 3 6
膵癌 10 11 9 3 9
膵腫瘍 4 5 4 3 1
鼡径・大腿ヘルニア 120 117 118 116 141
GIST 6
十二指腸乳頭癌 3
合計 580 583 561 584 626
麻酔別手術症例数
  平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年
全身麻酔 596 570 594 636 672
腰椎麻酔(含、硬麻) 153 139 124 86 61
局所麻酔 80 93 68 102 117
合計 829 802 786 824 850
緊急度別手術症例数
  平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年
緊急 162 182 159 176 171
待機 667 620 627 648 679
合計 829 802 786 824 850

外科病棟SSI発生率

詳細はこちら
Total SSI発生率:COLN 2009年 2010年 2011年
福井赤十字病院:外科 5.4% 9.5% 4.9%
JANIS 集計対象医療機関 14.9% 14.8% 14.1%
Total SSI発生率:REC 2009年 2010年 2011年
福井赤十字病院:外科 10.7% 10.0% 6.5%
JANIS 集計対象医療機関 18.1% 17.4% 16.9%
Total SSI発生率:GAST 2009年 2010年 2011年
福井赤十字病院:外科 7.9% 3.2% 1.7%
JANIS 集計対象医療機関 8.4% 9.4% 8.1%