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皮膚科

皮膚癌からアトピー性皮膚炎まで皮膚に関する全ての疾患を対象にしています。
特に皮膚悪性腫瘍(皮膚癌)の早期発見・治療に力を入れています。早期に発見し患者さんの負担の少ない治療を目指しています。

皮膚疾患に関する症状と治療法

皮膚癌(悪性腫瘍)
  • 有棘細胞癌
    表皮の有棘層の細胞が癌化する皮膚癌です。はっきりした原因は不明ですが、紫外線、慢性刺激、ウイルス、放射線などが原因となります。特に紫外線の刺激により生じる日光角化症は有棘細胞癌の発生母地として注意すべき病変です。症状は表面がいぼ状またはびらんなどを生じる紅色の腫瘤で潰瘍を形成することもあります。治療は原則として手術により切除します。病変の進行度によって通常辺縁より0.5~2cm程度離して切除します。切除後の皮膚欠損が大きい時は植皮や皮弁などの再建手術も施行します。所属リンパ節に転移がある場合はリンパ節郭清も行います。放射線治療は手術に比べ根治率はやや劣りますが比較的高い効果があります。
  • 基底細胞癌
    表皮の基底細胞や毛包を構成する細胞から発病する皮膚癌です。皮膚癌の中でも最も発生が多い癌です。症状はほくろに似ていることもありますが、ほくろに比べて青黒く、表面がろうそくのような光沢をもつ硬い腫瘤です。中央が潰瘍となり、周囲の正常組織を破壊しながら進行していきます。高齢者の眼瞼や鼻など顔面に発生することが多いです。転移はまれです。治療は原則手術により切除します。通常病変辺縁より3~5mm離して切除します。基底細胞癌は顔面に発生することが多いため、切除後の皮膚欠損に対し見た目を損なわない再建手術を行うことが重要です。
  • 悪性黒色腫(メラノーマ)
    悪性黒色腫はメラニン色素を作り出すメラノサイトが癌化して発生する皮膚癌です。はっきりとした原因は不明ですが外的刺激、紫外線などが誘因となることがあります。ときにほくろとの区別が難しいことがありますが一般的に左右非対称の不規則な形、病変の境界が不明瞭・不均一、色調に濃淡がある、大きさがやや大きい、表面が隆起しているなどの所見があることが多く、これらの所見から総合的に判断して診断します。治療は病変の厚さ、リンパ節・他の臓器への転移の有無によって治療が異なります。臓器転移を生じていない例では手術による切除が行われます。病変は境界より0.5~2cm程度離して切除します。術前のCTなどの画像検査で所属リンパ節の転移が明らかでない場合は、リンパ節生検を行い、転移が判明したら後日リンパ節郭清を行います。術前に所属リンパ節転移が明らかな場合は同様にリンパ節郭清を行います。リンパ節転移が広範囲に及んだり、臓器に遠隔転移がある場合は化学療法を主体とした治療が行われます。
  • 乳房外Paget病
    主に汗を産生する汗器官由来の細胞が癌化する皮膚癌です。60歳以上の高齢者に多く発生します。陰部や腋などに赤くて湿った病変が生じ、見た目が湿疹やたむしに似ていることがありますが、薬を塗ってもよくならず、少しずつ広がっていきます。治療は原則として手術で切除します。病変の境界より1~3cm離して切除します。皮膚の欠損が大きくなるため、多くの例でその被覆に植皮や皮弁などの再建手術が必要です。
ボーエン病
ボーエン病は、表皮の有棘層の細胞が癌化した状態ですが、その増殖は表皮の中に留まり真皮に及んでいません。ボーエン病は通常転移することはありません。表面が赤くてざらざらした状態で形は円形やいびつな形をしています。見た目が湿疹に似ていることがありますが、湿疹の薬を塗ってもよくならず少しずつ広がっていきます。治療は原則として手術で切除します。病変辺縁より数mm離して切除します。小さな病変は切除後皮膚欠損部を縫い寄せて閉鎖しますが、大きな病変は植皮術で治療します。切除した後の転移や再発はまれです。
日光角化症
日光角化症は主に中高年層の顔面や頭部、腕などに多くみられる皮膚癌の前癌病変です。およそ数mmから1cm程度の赤くカサついた病変が見られます。角化が強くなるとかさぶたのような白いものが付着していることもあります。放置すると有棘細胞癌が発生することもあります。治療は外科的に病変部を切除する、液体窒素を噴霧するといったものがありますが、最近治療専用の塗り薬も開発されました。
尋常性乾癬・関節症性乾癬
銀白色の鱗屑(皮膚の粉)をともない境界明瞭な盛り上がった紅斑が全身に出る皮膚病です。乾癬の患者さんの90%位がこの症状です(尋常性乾癬と呼びます)。大きさ、数、形は様々で、発疹が癒合して大きな病変を作ることもあります。できやすい部位は慢性の機械的な刺激を受けやすい頭部、肘・膝、臀部、下腿伸側などです。青壮年期に発症することが多く、多発しますが、通常、内臓を侵すことはありません。かゆみは約50%の患者さんにみられます。爪の変形や関節炎を伴うこともあります(関節症性乾癬)。乾癬は他人に移ることは決してありません。乾癬は個々の患者さんの症状の程度が幅広いので、患者さんの希望を十分にくみ取りながら治療法を選択します。通常は、外用薬(塗り薬)からスタートします。外用薬はステロイド外用薬、ビタミンD3外用薬が主に使われます。内服薬(のみ薬)としては、レチノイド、シクロスポリンが主なものです。これに紫外線療法を加えた3つ(外用療法、内服療法、光線療法)が基本的な治療法です。2010年からは、これらの治療法で十分な効果が得らえない場合、副作用などで内服薬が使えない場合には抗体療法という新しい治療が使えるようになりました。アダリムマブ(皮下注射)、インフリキシマブ(点滴注射)、ウステキヌマブ(皮下注射)、セクキヌマブ(皮下注射)がこの治療に該当します。抗体療法はこれまでの治療薬にはない劇的な効果がありますが、感染症(特に肺結核)のリスクが高くなるともいわれていますので投与前、投与中は定期的な診察と検査が必要となります。
しみ(Qスイッチルビーレーザー)
当院ではThe Ruby Z1というQスイッチルビーレーザーを採用しており様々なシミ・あざを取ることができます。強力なエネルギーで皮膚のメラニンのみを破壊するため、出血などはほとんど認めず、照射時間も非常に短い治療です。
老人性色素斑(シミ)、脂漏性角化症、扁平母斑、太田母斑、異所性蒙古斑などが適応となりますが、シミについては自費診療となり1平方センチあたり1万円程度になります。治療後は患部に創傷保護剤を貼り、1週間後と2週間後に再診し経過を見ていきます。レーザー照射の適応があるかどうかについても気軽にご相談ください。
水疱症
体や口の中に水ぶくれが出来る場合、天疱瘡や水疱性類天疱瘡といった難病指定されている水疱症の可能性があります。水疱性類天疱瘡は高齢の方に多く、強いかゆみが出るのが特徴です。当院では多数の治療経験があり、京都大学と連携して検査・診断をしています。
治療は体の免疫を抑える治療が必要となります。症状や検査の結果により、副腎皮質ステロイドの外用・内服や大量免疫グロブリン療法などを行います。
下肢静脈瘤
血管には心臓から体に向かう動脈と体から心臓に戻る静脈の2種類があります。下肢の表面には大きな静脈が2本走っており、足の付け根から内くるぶしにかけて走る大伏在静脈と、膝の裏側からかかとにかけて走る小伏在静脈があります。
静脈には逆流を防ぐ弁が付いていますが、この弁が壊れて静脈瘤ができます。弁が壊れた部分に血液が溜まり、水風船の様に血管が膨らむことで血管が瘤状に浮いて見える様になります。長時間の立ち仕事や妊娠・出産を契機に発症することが多いため比較期女性に多いと言われています。
当院では治療として弾性包帯や弾性ストッキングでの圧迫療法を行っています。患者さんの足の大きさを測定し適切なサイズのストッキングを着用し治療をします。(根治療法としては手術やレーザー治療がありますが当院では施行しておりません。)
円形脱毛症
円形脱毛症は程度により治療を開始して短期間で治る場合も多いですが、加療が長期に及ぶこともあります。当院では一般的な内服・外用治療の他、重症例に対しては入院によるステロイドパルス療法やSADBEという特殊な薬剤を塗るかぶれ療法を行っています。
蕁麻疹
蕁麻疹は様々な要因で血管を拡張させるヒスタミンが分泌されることで、体のあちこちに膨疹(ぼうしん)とよばれる皮疹ができる病気です。食事が原因と思われることが多いですが、実際には9割程度が疲れやストレスなどによって起きる特発性じんま疹といわれています。治療には抗アレルギー薬の内服を行いますが、再発予防のため長めの内服を行っています。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は乳幼児期から成人期まで幅広い世代にみられ、一般的にも広く認識されている疾患です。皮膚バリア機能が低下し、後天的に様々な刺激因子が作用して、掻痒のある湿疹病変の増悪と完解を繰り返す疾患です。
当科では必要に応じてアレルギー検査を含む血液検査を施行しています。
治療は日本皮膚科学会が定めるガイドラインで推奨されている下記のような治療を中心に行っています。ステロイド・タクロリムス軟膏の外用、保湿剤の外用、抗ヒスタミン薬の内服を中心に、重症な患者様には紫外線療法や免疫療法の導入も行っています。
アトピー性皮膚炎は一般的に慢性的に経過する疾患であり、症状をコントロールするには適切な治療薬の選択だけでなく、外用方法が重要になります。外来での外用指導はもちろん、必要に応じて重症例では教育入院も行っております。
脂漏性角化症
老人性疣贅とも呼ばれ、加齢変化の一つで、老人性色素斑(いわゆる「しみ」)から隆起してくることが多いです。20歳代から出現しはじめ、80歳以上の高齢者ではほぼ全員に認められるともいわれ、悪性化することはありません。
視診やダーモスコピー(特殊な拡大鏡)で診断できることが多いですが、悪性腫瘍との区別が難しい場合は、皮膚生検を行うこともあります。
良性腫瘍であり、必ずしも治療は必要ではありませんが、必要に応じて凍結凝固療法(液体窒素を噴霧)や外科的切除、レーザー治療などを行います。
帯状疱疹
水痘の罹患後に、神経節に潜伏している水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化することにより生じます。ストレスや免疫機能の低下、老化などが誘因とされています。
当科では、視診に加え、必要に応じてTzanckテスト(顕微鏡でウイルスに感染した細胞を確認する)を施行します。
治療は抗ウイルス薬の投与や疼痛への対症療法、傷への外用療法などを行います。状況に応じて入院加療も行います。
発症部位によって顔面神経麻痺や内耳神経障害、角膜ヘルペス、直腸膀胱障害など様々な合併症を引き起こす可能性があります。また、皮疹が改善した後に神経へのダメージが残ると帯状疱疹後神経痛という神経痛が持続する合併症もあります。神経痛が残る場合は、外来にて鎮痛薬の調整を行い、必要に応じてペインクリニックへのご紹介も行っております。
粉瘤
皮膚科で最も一般的な良性腫瘍で、皮内ないし皮下にできる角質が貯留した嚢腫です。圧迫により腐臭を伴った内容物が排出されることもあります。良性腫瘍ですが、ときに細菌感染を合併し、赤みや痛みを伴うことがあります。
感染を起こしていない状態であれば、手術により治療します。手術はデイサージャリー(基本的に日帰りですが、部位や大きさによっては入院加療)で行います。手術方法にも腫瘍全体を摘出する方法やくり抜き法(小さな穴をあけて内容物を取り出す方法)などがあり、部位や大きさによって選択します。いずれも局所麻酔で行います。
感染を起こした場合は、必要に応じて切開術(局所麻酔)や抗生剤の内服加療が必要になります。感染が落ち着けば先ほどの手術療法を行うことが可能です。
巻き爪・陥入爪
一般的に、巻き爪は爪が内側に湾曲し、巻き込んだ状態で、陥入爪は爪が皮膚に刺さり食い込んだ状態です。原因は多岐にわたり、不適切な爪切りや外傷、使用している靴、歩き方、足を使わない習慣、爪白癬などがあります。
巻き爪に対しては当科ではワイヤー療法(曲がった爪をワイヤーにより矯正する)を中心に治療を行っています。
陥入爪に対しては皮膚に爪が刺さらないようにテーピングやコットン法(隙間にコットンを詰める)、ガター法(隙間にチューブを詰める)などを行います。重症の場合はフェノール法(食い込む部分を抜爪し、化学薬品により再発を防ぐ)という手術を施行する場合もあります(一般的に外来で手術しますが、状況に応じて短期入院での手術となります)。
また、陥入爪に化膿性肉芽腫(爪が刺さる刺激により生じる腫瘤)が合併することもあり、その場合は状況に応じて外用剤や抗生剤内服、凍結凝固療法(液体窒素を使用)、爪の除去、結紮などの治療を行います。