災害救護支援室

概要

福井赤十字病院災害救護支援室は平成30年4月に設置され、医師、看護師、診療放射線技師、事務職員からの多職種で構成されています。

災害時における医療救護は、赤十字社の大きな使命です。指定公共機関である日本赤十字社の病院は、様々な国内法(日本赤十字社法、災害対策基本法、災害救助法、武力攻撃事態法等々)により災害時の救護活動を義務付けられています。

災害救護体制

災害拠点病院

大規模災害発生時に各地域の初期救急医療の中心になる病院で、当院も福井県知事から指定を受けています。

24時間緊急対応できる設備、ヘリコプター発着場(本館屋上に設置されています)、医薬品・食料・飲料水の備蓄、水・電気・ガスなどのライフラインの確保、耐震化構造などが条件となっています。

救護班について

日本赤十字社の根幹事業でもある「災害救護」において全国の赤十字病院で組織されています。災害の規模に応じて、全国に派遣されます。

災害派遣の際は、食糧・水などはあらかじめ当院、日本赤十字社福井県支部で用意した物資を持参する自己完結型で被災地での救護活動を行います。

1班は基本的に、医師1名、看護師長1名、看護師2名、薬剤師1名、事務職員2名の計7名で構成されていて当院も8班の救護班が組織されています。原子力災害を伴う場合は、救護班の放射線量等を管理するために放射線技師も救護班に参加することもあります。

阪神淡路大震災、東日本大震災などを含め、これまで多くの災害に派遣されています。

DMATについて

DMATとはDisaster Medical Assistance Teamの頭文字をとって略して「DMAT(ディーマット)」と呼ばれています。大地震の大災害、航空機・列車事故、爆発事故といった外傷をともなう多数の傷病者が発生した場合に現地に迅速に駆けつけ、救急救命医療を行うための専門的な訓練を受けた医療チームです。

医師1名、看護師2名、業務調整員1名の計4名を基本単位として活動します。

本院には医師5名、看護師9名、業務調整員(うち事務職員3名、薬剤師1名)4名(令和4年7月1日現在)が養成研修を終了しています。

災害医療コーディネーター

災害発生時に県庁、保健所などの行政機関や全国の赤十字病院と連携し司令塔となる役割として、当院の医師が「統括DMAT」、「都道府県災害医療コーディネーター」、「日赤災害医療コーディネーター」に任命されており、院内のみならず県庁、保健所、日本赤十字社本社(東京都)等への派遣を行います。

こころのケア

災害は被災者に大きなストレスを与えます。ストレスの程度は災害状況の深刻さや被災者自身の性格によって異なります。また、ストレス反応は、身体、思考、感情、行動によって表れます。災害によって、持病の悪化、イライラして周囲の人と上手くいかなくこともあります。

こころのケアは被災者に寄り添い、ストレスの軽減を図り、ストレス症状によっては専門家のカウンセリングが必要なる場合あります。

日本赤十字社では、災害時のこころのケア活動を実施するにあたり、救護班員への普及指導体制を強化する指導者がいます。日本赤十字社本社にて研修を行い、当院には看護師9名、事務職員2名が研修を修了しております。

 

院内で開催している研修会

救護班研修

年1回、日本赤十字社福井県支部と共同で常備救護班員を対象に様々な想定訓練を行っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

こころのケア研修

被災地に赴いた際、被災者に寄り添いこころの苦痛を軽減できる人材育成を目的として3年目看護師は必須及びその他職員向けに1回の計2回行っています。

 

院内で開催している訓練

福井赤十字病院総合災害対応訓練

院内スタッフの災害対応力向上を目的として、年1回開催しております。

災害対策本部の設置、自主登院職員の受付、職員の安否の確認、院内の臨時診療エリア設営及び運営などの実働に即した訓練を行っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

原子力被ばく患者受入れ対応訓練

原子力発電所で発生した被ばく患者の受入れを想定して、被ばく傷病者を受け入れる除染エリアの設営、被ばく傷病者の屋上ヘリポートから除染エリアまでの移動、被ばく汚染部位の除染などを想定した訓練を実施しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

他機関が主催している訓練への参加

  • 政府主催広域大規模地震時医療活動訓練
  • 近畿府県合同防災訓練
  • 福井県総合防災訓練
  • 福井県国民保護図上訓練
  • 福井県原子力総合防災訓練
  • 日本赤十字社中部ブロック(第3ブロック)災害対応訓練
  • 近畿・中部ブロックDMAT実働訓練
  • JR西日本総合事故対応訓練

DMATや救護班を派遣した災害(東日本大震災以降の主なもの)

令和4年度8月福井県南越前町豪雨災害

令和4年8月7日(日)~8月13日(土)にかけて今庄診療所に救護班を派遣

救護班1班から職員のべ50名を派遣(派遣職種:医師、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、事務職員)

   

 

 

令和元年度10月台風19号にともなう風水害

長野県長野市に救護班、コーディネートチーム、こころケア要員を派遣

救護班1班7名を派遣(派遣職種:医師、看護師、薬剤師、事務職員)

コーディネートチーム1班2名を派遣(派遣職種:医師、看護師)

こころのケア1班4名を派遣(派遣職種:看護師、事務職員)

 

平成30年7月西日本豪雨 

広島県呉市に1班7名を派遣

(派遣職種:医師、看護師、薬剤師、事務職員)

 

平成30年2月福井豪雪

国道8号線に立ち往生した車両運転手の健康観察等を行うため救護班2班6名を派遣

(派遣職種:医師、看護師、事務職員)

           

熊本地震   救護班2班15名を熊本県に派遣

(派遣職種:医師、看護師、薬剤師、放射線技師、事務職員等)

こころのケア要員として3名派遣(派遣職種:看護師、事務職員)

熊本赤十字病院の病院支援要員に2名派遣(派遣職種:看護師)

健康生活支援要員として1名派遣(派遣職種:看護師)

 

東日本大震災 DMATを宮城県仙台市に1班7名を派遣

(派遣職種:医師、看護師・助産師、事務職員)

救護班を岩手県陸高田市、宮城県石巻市に14班127人を派遣

(派遣職種:医師、看護師・助産師、薬剤師、放射線技師、事務職員等)

こころのケア要員として延べ11名を派遣(派遣職種:看護師、事務職員等)

石巻赤十字病院の病院支援延べ8名派遣(派遣職種:看護師、薬剤師)