災害救護支援室について
災害時における医療救護は、赤十字社の大きな使命です。指定公共機関である日本赤十字社の病院は、様々な国内法(日本赤十字社法、災害対策基本法、災害救助法、武力攻撃事態法等々)により災害時の救護活動が義務付けられている上、災害拠点病院としての機能・役割を果たすため、当院は2018年に災害救護支援室を設置しました。
災害救護体制
災害拠点病院(地域災害拠点病院・原子力災害拠点病院)
大規模災害発生時に各地域の初期救急医療の中心になる病院で、当院も福井県知事から指定を受けています。
24時間緊急対応できる医療設備、ヘリコプター発着場(当院は本館屋上に設置)、医薬品・食料・飲料水の備蓄、水・電気・ガスなどのライフラインの確保、耐震化構造、DMATを有していることなどが条件となっています。
日赤救護班
日本赤十字社では根幹事業でもある「災害救護」のための医療救護班が全国の赤十字に組織されています。派遣の際は、医療資機材のほか、自分たち用の飲食料はもちろん、寝袋やトイレなどあらかじめ用意した物資を持参する自己完結型で被災地へ赴きます。
当院の救護班は、医師1名、看護師長1名、看護師2名、薬剤師1名、主事担当職員3名を基本に、必要時には放射線技師1名で構成しており、当院では8班が登録されています。また、当院は原子力災害拠点病院でもあることから、原子力災害の発生時に対応する救護班として、医師・看護師・放射線技師・主事での班も編成しています。
DMAT
DMAT(Disaster Medical Assistance Team)は、大地震などの大規模災害、航空機や列車事故、新興感染症などのまん延時に、地域において必要な医療提供体制を支援し、傷病者の生命を守るため、厚生労働省の認めた専門的な研修・訓練を受けた災害派遣医療チームです。
当院では医師8名、看護師8名、業務調整員5名(令和8年7月1日現在)が隊員登録をしています。
日赤災害医療コーディネートチーム
災害発生時に、被災地の日本赤十字社福井県支部をはじめ、県庁や保健所などの行政機関と連携し司令塔となる役割として、医師が「日赤災害医療コーディネーター」、看護師や事務職員などが「コーディネートスタッフ」に任命されています。
日赤こころのケア班
災害は被災者に大きなストレスを与えます。ストレスの程度は災害状況の深刻さや被災者個々によって異なり、ストレス反応は、身体、思考、感情、行動によって表れます。日赤こころのケア班としては、被災者に寄り添い様々な手法でストレスの軽減を図り、ストレス症状によっては専門家につなぐ活動をしています。
院内で開催している研修会
日赤支部救護班研修
年1回、日本赤十字社福井県支部と共同で常備救護班員を対象に災害の基礎的な研修を行っています。

こころのケア研修
被災地に赴いた際、被災者に寄り添いこころの苦痛を軽減できる人材育成を目的として3年目看護師及びその他職員向けに年2回行っています。
災害時対応能力育成研修
当年度の救護班員を含め当院職員の災害時対応力向上を目指し、5月から月ごとに内容を分けて年間6回程度開催している研修です。毎年開催の当院災害対応訓練を前提に、院内での活動を想定し、より実践に結び付くことを目指しています。
院内で開催している訓練
福井赤十字病院総合災害対応訓練
院内スタッフの災害対応力向上を目的として、年1回開催しています。
災害対策本部の設置、自主登院職員の受付、職員の安否の確認、院内の臨時診療エリア設営及び運営などの実働に即した訓練を行っています。

原子力被ばく患者受入れ対応訓練
原子力発電所で発生した被ばく患者の受入れを想定し、被ばく傷病者を受け入れる除染エリアの設営、被ばく傷病者の屋上ヘリポートから除染エリアまでの移動、被ばく汚染部位の除染などを想定した訓練を実施しています。


他機関が主催している訓練への参加
◇政府主催広域大規模地震時医療活動訓練
◇近畿・中部ブロックDMAT実働訓練
◇近畿府県合同防災訓練
◇福井県総合防災訓練
◇福井県原子力総合防災訓練
◇福井県国民保護図上訓練
◇日本赤十字社第3ブロック(中部ブロック)災害対応訓練
◇JR西日本総合事故対応訓練
DMATや救護班を派遣した災害(東日本大震災以降の主なもの)
令和6年能登半島地震
令和6年1月2日(火)~3月23日(土)にわたり、石川県各地へ救護班7班51名、コーディネートチーム2チーム8名、こころのケア1班4名、DMAT3隊11名(福井空港活動隊含む)、計74名を派遣

令和4年度8月福井県南越前町豪雨災害
令和4年8月7日(日)~8月13日(土)の7日間、今庄診療所に救護班7班50名を派遣
令和元年度10月台風19号にともなう風水害
長野県長野市に、救護班1班7名、コーディネートチーム1チーム2名、こころのケア1班4名、計13名を派遣

平成30年7月西日本豪雨
広島県呉市に救護班1班7名を派遣

平成30年2月福井豪雪
国道8号線に立ち往生した車両運転手の健康観察等を行うため、救護班2班6名を派遣

熊本地震
救護班2班15名、こころのケア要員3名、熊本赤十字病院の病院支援要員に2名、健康生活支援要員として1名、計21名を派遣

東日本大震災
救護班を岩手県陸高田市と宮城県石巻市に14班127人、こころのケア要員として延べ11名、石巻赤十字病院の病院支援に延べ8名、DMATを宮城県仙台市に1隊7名、計153名を派遣




