院長挨拶

 この度は福井赤十字病院のホームページをご覧いただきありがとうございます。

令和6年(2024年)の年度始めにあたり病院職員を代表してご挨拶申しあげます。

 福井赤十字病院は大正14年(1925年)に日本赤十字社福井支部病院として開院、昭和18年に福井赤十字病院と改称し、今日まで長年にわたり現在の地で地域に貢献してまいりました。開院当初全職員69名でスタートとの記録があり、令和6年(2024年)の現在、許可病床534床、標榜診療科25科、職員数は1,000名を超える陣容にまで至りました。令和7年(2025年)には創立100周年を迎えることとなります。

 

本年度の病院の体制、目標につき3つに分けてご紹介をいたします。

(Ⅰ)診療機能の充実

 当院の使命は急性期医療の分野において最先端の高度な機能を担うことです。平成16年(2004年)に本館を新築、診療部門のセンター化構想のもと、複数の診療科が協働しながら高度な医療を担当しています。平成27年(2015年)には先進中央棟を竣工、高精度放射線治療装置「Vero4DRT」導入、腎センター、外来化学療法室を移設拡張、緩和ケア病棟を新設し地域がん診療連携拠点病院として総合的ながん診療体制を整えました。平成28年(2016年)手術支援ロボット「ダビンチXi」を導入、原子力災害拠点病院の指定を受け、令和2年(2020年)には地域における一次脳卒中センター(PSC)コア施設として認定を受け、同年脳卒中ケアユニット(SCU)を12床に増床、令和3年(2021年)、ドクターヘリの受け入れを開始しました。

 新型コロナウイルス感染症に代表される新興感染症についても、これまでと同様、感染症指定医療機関としての機能を果たします。遺伝子(ゲノム)診療にも積極的に対応してまいります。

(Ⅱ)地域と連携する医療の構築

 令和7年(2025年)に控えた地域医療構想の実現に向けて、自治体、大学、周辺医療機関、地域との協議・協力を深め、一層の地域貢献を目指します。具体的には、比較的状態の安定した外来通院中の患者さんについては、地域のかかりつけ医療機関との連携を推進し、病院単独ではなく地域の総合力で医療が完結することを目指します。

 本年度、全面的に電子カルテを更新いたします。診療情報が地域で迅速に共有され、切れ目のない医療を構築するための整備を行います。

 外来患者さんの薬剤の処方については遅ればせながら院外処方を推進させ、地域の薬局との連携を深めてまいります。

 健診センター、訪問看護ステーションを充実させ、職場や在宅医療・介護と当院の連携を強化してまいります。

(Ⅲ)病院職員が働きやすい院内環境の改善

 福井赤十字病院の未来を担う人材を確保、育成、定着させるために新たな組織を構築します。また女性の活用に代表されますが、多様な人材が当院で生きがいを持って働いていただけるよう、すべての職種を対象に働き方改革に積極的に取り組んでまいります。

 当院職員の資質向上のため教育、研修環境を強化します。これまであった教育研修室の機能を強化し、すべての職員が良い環境で教育・研修を受け、個々に応じた成長をしていくために病院全体でサポートします。

 

最後になりますが、当院の理念である「人道・博愛の精神のもと、県民が求める優れた医療を行います。」に向かい、職員一同協力して取り組みます。県民の皆様の一層のご支援をお願いいたします。

 

 

令和6年(2024年)4月1日 

福井赤十字病院 院長 小松 和人