血液内科

概要

血液内科は、地域医療に貢献することを目標に、貧血や血小板減少などの非腫瘍性疾患から、白血病やリンパ腫・骨髄腫などの造血器腫瘍(血液がん)まで、幅広く疾患を受け入れ診療に当たっています。

血液内科の専門外来としては月曜日から金曜日まで毎日行い、紹介受診を含め新患の血液疾患も随時受け入れを行っています。

入院では血液疾患の特殊性を考慮し本館7階の1-7病棟に高密度無菌室2室と無菌室8室の計10室の無菌室(個室)の他、多床室の無菌室8床も配置し、高度な感染症対策を行っています。

治療に関しては、非腫瘍性疾患や造血器腫瘍(血液がん)もカンファレンスを行い、標準治療を行うことはもとより患者さん一人ひとりに適した治療を提案し十分話し合って、本人・家族そして多職種の病院スタッフが協働して治療を進めてまいります。

また、検査部・輸血部門と連携し自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法も積極的に行っています。

医師紹介

副部長

多崎 俊樹 (たさき としき)

免許取得年
平成18年
資格
日本内科学会認定内科医、日本血液学会認定血液専門医

医監

今村 信 (いまむら しん)

免許取得年
昭和62年
資格
日本内科学会認定内科医・指導医、日本血液学会認定血液専門医、日本輸血・細胞学会認定医、日本エイズ学会認定医

非常勤医師

木下 圭一 (きのした けいいち)

免許取得年
平成8年
資格
日本内科学会認定内科医・指導医・総合内科専門医、日本血液学会認定血液専門医、ICD制度協議会認定医
写真はありません

非常勤医師

細野 奈穂子 (ほその なおこ)

免許取得年
平成11年

連携医の先生方へ

血液領域の疾患を専門に診療しています。連携医の先生方より血液疾患を疑い、ご紹介いただいた方々の診断・治療を積極的に行っています。近年は分子標的薬など新規薬剤の臨床応用が続いており、治療の選択肢は広がってきています。血液疾患の治療や治療後の経過観察は長期にわたります。特に治療終了後の経過観察では、連携医の先生方との繋がりを大切にし、協同して診療にあたっていきたいと考えています。

その他

主な対象疾患と治療法

貧血、血小板減少、骨髄増殖性腫瘍、急性白血病、慢性骨髄性白血病、悪性リンパ腫、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫

非腫瘍性疾患

貧血

鉄欠乏性貧血は最もよくみられる貧血です。鉄が欠乏する原因を探る必要があります。鉄以外に不足すると貧血になる成分としてビタミンB12や葉酸があります。これらの貧血では赤血球が大きくなる(大球性となる)ことが特徴です。それ以外には再生不良性貧血や赤芽球癆など骨髄に問題がある貧血や、自己免疫性溶血性貧血など免疫異常がかかわる貧血があり、一口に貧血と言っても原因は多岐にわたります。

血小板減少

あざや点状の出血、歯肉出血などをきっかけに受診し、血液検査で血小板が減少していることが判明し紹介となることが多く認められます。とくに特発性血小板減少性紫斑病という疾患では免疫の異常が関連しています。またピロリ菌の除菌をすると血小板減少が改善する場合があります。

 

造血器腫瘍および血液がん

骨髄増殖性腫瘍

真性多血症、本態性血小板血症、骨髄線維症をまとめて骨髄増殖性腫瘍と呼びます。血液の成分は骨髄でバランスよく作られていますが、真性多血症では赤血球が増え、本態性血小板血症では血小板が増え、骨髄線維症では骨髄が繊維化する病気です。遺伝子異常が関連することが分かってきており、一部の疾患に対しては内服治療薬も使用されています。

急性白血病

急性リンパ性白血病と急性骨髄性白血病に分けられます。いくつかのタイプに分類され、多くは抗がん剤を組み合わせた化学療法が行われます。白血病のタイプや年齢、治療の反応性などを総合的に判断して造血幹細胞移植が勧められることがあります。急性リンパ性白血病でフィラデルフィア染色体が陽性のタイプでは、慢性骨髄性白血病で使用される内服薬を併用して治療が行われます。また急性骨髄性白血病の中のM3というタイプでは、特徴的な遺伝子異常に対する内服薬を併用することで、良好な結果が得られています。

慢性骨髄性白血病

慢性骨髄性白血病ではフィラデルフィア染色体が特徴的で、その染色体異常に対して作用する薬剤(分子標的薬)が現在5種類使用できます。効果や副作用などを診ながらこれらの内服薬の種類や用量を調整し治療を進めていきます。

骨髄異形成症候群

人口の高齢化に伴い骨髄異形成症候群は増加傾向にあります。検査をするきっかけは貧血や血小板減少、汎血球減少を指摘されて精密検査を受け診断される場合が多く見受けられます。骨髄異形成症候群はいくつかのタイプに分けられ、経過観察~点滴治療~造血幹細胞移植まで、それぞれの患者さんの状況に応じて治療が選択されます。

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫も年々増加傾向にある疾患です。頸部や腋窩、鼡径部のリンパ節が腫れたり、体内のリンパ節やいろいろな臓器にも広がることのある疾患です。リンパ組織は全身に渡るため、ほとんどの診療科が受診のきっかけとなりえます。診断も複数の診療科、放射線科・病理診断科などの協力を得て行われます。確定診断には病理診断が必要で、数多く存在する組織型のどれに相当するか診断され、CTやPET検査、その他の検査を行って病気の拡がりを確認し、年齢や基礎疾患などを検討し治療方針が決定されます。治療の基本は化学療法・放射線療法ですが、近年化学療法に併用する分子標的薬など、新たな治療薬が実際の治療で使用できるようになり、治療の幅も広がっています。

多発性骨髄腫

多発性骨髄腫は、M蛋白というたんぱく質が増加し、骨が弱くなり(骨粗鬆症)骨折したり、臓器の障害(貧血や腎障害など)が進行する疾患です。多発性骨髄腫の治療薬は、ここ数年の間に新薬が次々と臨床応用され、治療の組み合わせも多岐にわたり、選択肢はかなり多くなってきました。治療は長期にわたるため、外来での化学療法を継続できるように十分相談しながら治療を選択していきます。

造血幹細胞移植

当院では、主に悪性リンパ腫と多発性骨髄腫で70歳未満の適応のある患者さんに対して、自分の末梢血の幹細胞を採取・凍結保存しておき、大量化学療法後に身体に戻す自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法を行っています。

末梢血幹細胞採取

外来担当医表

6番ブース
血液内科 2診

多崎

多崎

木下

多崎

木下

(1.3.5週)

7診

細野

今村

今村

今村

今村