神経内科

神経内科について

主に脳卒中、認知症、パーキンソン病、てんかん、片頭痛などに対する治療を行っています。また神経難病にも取り組んでいます。
脳卒中の治療は、超急性期の血栓溶解療法を行っています。後遺症を少なくするようSCUを運営しています。
認知症の診療は、診断、治療、ご家族への介護指導を行っています。特にご家族を困らせる症状がみられる患者さんに対しては、認知症認定看護師が個別に介護指導を行っています。
パーキンソン病の治療は、内服薬による薬物療法だけではなく、最先端のレボドパ・カルビドパ経腸用液療法(LCIG療法)や脳深部刺激療法(DBS治療)を行っています。
てんかんの治療は、日本てんかん学会専門医が中心となり行っています。難治性てんかんの患者さんも多く受診されています。
片頭痛で、頻度が多くてお困りの患者さんも多く受診されています。
ご高齢の患者さんがおおいため、ACP(人生会議)も積極的に取り組んでいます。

連携医の先生方へ

認知症診療でご家族を困らせる行動・心理症状(BPSD)がみられる患者さん以外にも、初期診断も積極的に行っております。

歩行障害のある高齢の方は、関節・軟部組織の問題ではなく、パーキンソン病や神経難病、神経筋疾患の可能性もありますので、ご紹介いただけましたら幸いです。

片頭痛患者さんの中には、発作頻度が高い、1回の頭痛が重度であるなど、社会生活に支障がある方もおられます。積極的にご紹介ください。

当科では、日本臨床倫理学会の臨床倫理認定士が積極的に患者さんを取り巻く臨床倫理の問題に取り組んでいます。

特色

頭痛外来(完全予約制)

頭痛専門医による頭痛外来を開設しています。

片頭痛は生活の質を著しく低下させる疾病であり、国内には約1000万人の患者がいると推定できます。20~50歳代の働き盛りの世代の方にとって、日常生活への疾病負担が最も大きい神経疾患となっていますが、病院受診率が低いことも知られています。当院では女性の頭痛専門医が診察を行っており、女性に多い疾患である片頭痛について相談しやすい専門外来を目指しております。2021年に登場したカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)関連抗体薬を用いた予防治療を適切に行えば「頭痛の無い生活」をおくれる方も増えています。頭痛は「治らない」ものとあきらめていた方、これまで治療効果が不十分であった方も、気軽に相談できる窓口として頭痛外来をご利用ください。

 

【診察日】毎週月曜日・木曜日(祝日を除く)午後 

【受診方法】完全予約制となっております。以下のいずれかの方法でご予約ください。

      ・かかりつけ医にご相談の上、ご予約ください(紹介状をご持参ください)

      ・神経内科外来へ直接お電話にてご予約ください(その場合選定療養費を別途ご負担いただく場合もございます)

【担当医】神経内科部長 早瀬 史子(日本頭痛学会頭痛専門医)

アルツハイマー病に対するレカネマブ(レケンビ®)治療について

アルツハイマー病は、 脳内にアミロイドβと呼ばれる蛋白質がたまることによって、物忘れなどの症状が出る病気です。2023年12月20日に脳内のアミロイドβがたまるのを減らす「レカネマブ」が発売になりました。

2週間に1回、1年半点滴するおくすりで、軽度認知障害(MCI)(※)または軽度アルツハイマー病患者さんが対象です。残念ながら中等症以上の患者さんは対象になりません。

投与開始前にはMRI、アミロイドPETまたは髄液検査等の検査を行います。効果としては、症状を改善することは難しいのですが、治験では1年半の投薬で、進行を半年程度遅らせる効果が確認されました。

合併症としては、注入に伴う反応とアミロイド関連画像異常(ARIA)があり、定期的に頭部 MRI検査を行い、副作用がないかを確認します。

「レカネマブ」の希望がある患者さんは検査・説明をいたしますので、かかりつけ医を通じて当院神経内科に受診をお申し込みください。

 

※軽度認知障害(MCI)とは

軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI)は、正常と認知症の中間の状態です。記憶力が低下し、ご本人またはご家族によるもの忘れの訴えがあるものの、日常生活への影響はないか、あっても軽度のものです。

もの忘れにより、今まで苦もなくやっていたことが上手くいかなくなったり、失敗したりすると、ご本人は何となくおかしいと感じ始めます。客観的には認知機能・生活機能のいずれも問題ないものの、ご本人の中で以前と比べて認知機能の低下を感じる主観的認知障害がMCIの前にあらわれます。 MCIの初期では、ご本人自身が認知機能の低下を自覚しやすいため、病院を受診し、かかりつけ医に症状を訴えることがあります。しかし、認知機能障害が進行していくにつれて、徐々に認知機能障害の自覚は乏しくなります (図1)。言われても思い出せないもの忘れが重なり、やり場のない怒りや不安、悲しみといった感情から、「私は忘れていない」と主張したり、言い繕いをしたりする場合もあります。

こんな症状が見られたら軽度認知障害(MCI)かも?

 □ 何度も同じことを尋ねる

 □ 物の名前が出にくくなった

 □ 物を探し回るようになった

 □ 整理整頓が難しくなり部屋が散らかるようになった

 □ 道に迷うなどの経験をした

 □ 料理の味付けが変わった、同じメニューが増えた

 □ 約束を忘れてしまうことが増えた

レカネマブの治療にご興味のある方はかかりつけ医を通じて当院神経内科に受診をお申し込みください。

中等度、⾼度の認知症(項⽬に該当する場合はレカネマブの適応基準から外れる場合があります)

以下の⽣活レベルをご参考にしてください。

【中等度の認知症の⽣活レベル】

□介助なしでは状況に応じた適切な洋服を選べない

□⾦銭管理が難しくなる

□⾷事の⽀度が難しくなる

【やや⾼度の認知症の⽣活レベル】

□着⾐が⼀⼈でできない

□トイレ・入浴に介助が必要

医師紹介

副院長(神経内科代表部長兼務)

髙野 誠一郎 (たかの せいいちろう)

免許取得
昭和63年
資格
・日本神経学会指導医・神経内科専門医・認定医
・日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
・日本脳卒中学会専門医
・日本脳卒中学会脳卒中指導医
・日本認知症学会専門医・指導医、認知症サポート医
・日本プライマリ・ケア連合学会認定プライマリ・ケア認定医
・日本臨床神経生理学会指導医
・京都大学臨床教授
・福井大学臨床教授

部長

今村 久司 (いまむら ひさじ)

免許取得
平成14年
資格
・日本神経学会神経内科専門医・指導医
・日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
・日本てんかん学会認定専門医・指導医

部長

早瀬 史子 (はやせ ふみこ)

免許取得
平成11年
資格
・日本神経学会神経内科専門医・指導医
・日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
・日本認知症学会専門医・指導医
・日本認知症予防学会認知症予防専門医
・日本頭痛学会頭痛専門医
・日本医師会認定産業医

医師

山中 治郎 (やまなか はるお)

免許取得
平成25年
資格
・日本神経学会神経内科専門医
・日本内科学会認定内科医

医師

福永 晃久 (ふくなが あきひさ)

免許取得
令和2年

医師

髙木 廣平 (たかき こうへい)

免許取得
令和3年

外来担当医表

10番ブース
6診 髙野(初診) 髙野(再診) 髙野(初診) 髙野(初診) 髙野(再診)
7診 山中(初診・再診) 今村(初診) 今村(再診) 今村(再診) 今村(初診)
8診 早瀬(再診) 早瀬(初診) 福永(初診・再診) 早瀬(再診) 福永(初診・再診)
午後 早瀬(再診)/頭痛外来   今村(再診) 今村(再診)
早瀬(再診)/頭痛外来
 

備考

【もの忘れ外来】
もの忘れに関する診療も神経内科では行っています。
ご心配な方は、可能な限り紹介状をもって、通常の診療日に受診してください。

【頭痛外来】

月・木 ※完全予約制