呼吸器内科

呼吸器内科について

呼吸器領域の、主に内科的疾患を診療しています。
他科との密接な連携のもと行う肺癌診療、専門病棟完備の肺結核症診療など専門性の高い分野から一般的な疾患まできめ細かい診療を行っています。

連携医の先生方へ

呼吸器内科では肺癌、結核を含めた呼吸器感染症、喘息・COPD、間質性肺疾患、呼吸不全、睡眠時無呼吸症候群等、多岐に渡る疾患を担当しています。いずれの診療でも最新の診断・治療を提供すると共に、多くの慢性疾患の方は退院後も闘病していく必要があります。患者さんのQOLを保つためには、関連他科との連携や多職種によるチーム医療を重視し、各種カンファレンスや退院支援を通じて、地域の医療・介護と密に連携していきたいと思っています。

主な疾患

・肺がん

・喘息

・間質性肺炎  など

特色

呼吸器疾患の治療と新薬について

呼吸器センターにはどのような症状の患者さんが受診しますか?

胸部X線写真で異常を指摘されたり、咳が長引いていて、かかりつけ医の先生の薬だけでは効果が乏しい患者さんが紹介されてくるケースが多いです。
長引く咳の原因としては喘息が多く、吸入薬を中心とした治療により、現在では多くの場合で咳を止めることができます。レントゲンの異常所見の原因は多岐にわたり、肺炎の治りかけから、肺癌まで、幅広く認められます。

気管支鏡検査はつらいと聞きます。簡単に受ける方法はありませんか?また気管支鏡検査では、どんなことがわかりますか?気管支鏡で手術などはできますか?

気管支鏡検査は、当院で以前から行っている方法で、学会や医学論文、一般向けの情報誌、講演会などで10年以上前より継続して紹介しています。麻酔薬に噴霧式スプレーと軟化式気管チューブを使用し、苦痛の少ない気管支鏡を心がけており、患者さんから、好評をいただいています。症例によっては、食道からも安全にアプローチします。この方法で、超音波内視鏡や腫瘍摘出術、ステント留置術、気管支拡張術、気管支充填術、気管支サーモプラスティー(内視鏡手術)など、多疾患にわたる内視鏡診断、治療を行っています。

気管支喘息が内視鏡で治療できるのですか?

吸入ステロイド薬の普及によって、喘息死が劇的に減少するなど、最近20年間の喘息治療の進歩は顕著です。しかし、喘息の10~20%の患者さんは難治性で、通常の治療にプラスアルファの治療が必要です。抗体製剤などの新規治療薬も登場していますが非常に高価となります。
「気管支サーモプラスティ」は気管支鏡を用いて、気管支内にカテーテルを挿入し高周波電流にて気管支壁を温めることで、喘息発作を起こしにくい気管支にする内視鏡的手術法です。現在、この手術は大学病院を中心に北陸3県では5施設で施行されていますが、患者さんの体に負担の少ない局所麻酔下に施行しているのは当科だけです。

呼吸器の病気は予後が悪いという印象がありますが、お薬の進歩は、ないのでしょうか?

3つの疾患(気管支喘息、肺癌、間質性肺炎)についてお話しします。
 まず、気管支喘息では、吸入薬の進歩が目覚ましく、多くの喘息は、1日1回吸入するだけで症状がなくなります。重症の場合、バイオ製剤(デュピルマブ、テゼペルマブなど)を月1回注射するだけで、症状がほぼ消失します。なるべく薬剤を減らしたい、喘息そのものを良くしたいという場合、気管支サーモプラスティー(内視鏡手術)が有効であり、喘息自体を軽くするので、薬剤が減るもしくは不要になる効果が得られます。もはや、喘息で亡くなることは少ない時代になったと思われます。
 次に「現代の亡国病」とも言える肺癌ですが、遺伝子診断による分子標的治療(オシメルチニブ、アレクチニブ)、ノーベル賞で話題になった免疫チェックポイント阻害剤(ニボルマブ、ペムブロリズマブ)など強力な薬剤が多数登場しており、患者さんや癌細胞に合わせた薬剤の使用により、劇的に生存期間を延長させることに成功しています。肺癌はいまや30種類以上の薬剤の組み合わせにより治療するため、専門医の知識がより重要になってきています。当院では、新しい知見を取り入れ、タイミングや薬剤選択を十分に検討して行い、患者さんに良好な治療結果がお届けできるよう日々努力しています。
 最後に間質性肺炎についてですが、長きにわたり治療できず、多くの患者さんがお亡くなりになる病気でしたが、近年抗線維化薬(ピルフェニドン、ニンテダニブ)が使用可能となり、また効果の高い免疫抑制剤(タクロリムス)の登場もあり、最も寿命を延ばしている疾患といっても差し支えない状況にあります。 呼吸器疾患は、今、強力な新薬に恵まれ、治せる病気へと、劇的な変化を遂げているのです。

医師紹介

【科長】代表部長

出村 芳樹 (でむら よしき)

免許取得
平成2年
資格
・日本呼吸器学会呼吸器専門医、指導医
・日本内科学会認定内科医、総合内科専門医
・日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医、指導医
・日本消化器病学会専門医
・日本アレルギー学会専門医、指導医
・日本プライマリ・ケア連合学会認定プライマリ・ケア認定医、指導医
・福井大学臨床教授

副部長

多田 利彦 (ただ としひこ)

免許取得
平成17年
資格
・日本呼吸器学会呼吸器専門医
・日本内科学会認定内科医
・日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医、指導医

副部長

園田 智明 (そのだ ともあき)

免許取得
平成24年
資格
・日本呼吸器学会呼吸器専門医
・日本内科学会認定内科医
写真はありません

医師

大井 昌寛 (おおい まさひろ)

免許取得
平成27年
資格
・日本呼吸器学会呼吸器専門医
・日本内科学会認定内科医、総合内科専門医
・日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医
・ICD制度協議会認定インフェクションコントロールドクター

医師

山岡 幸司 (やまおか こうじ)

免許取得
平成31年

医師

木村 聡美 (きむら さとみ)

免許取得
平成31年
専門分野
・日本内科学会内科専門医

外来担当医表

1番ブース
1診

出村(初診)

園田(再診)

出村(再診)

出村(再診)

園田(再診)
2診

大井(再診)

山岡(再診) 園田(初診)

木村(初診)

大井

(初診)2.4.5週

(再診)1.3週

3診 多田(再診) 多田(初診) 山岡(再診) 多田(再診)

山岡

(初診)1.3週

(再診)2.4.5週

7診 木村(再診)   木村(再診)    
10診    

 

大井(再診)  
午後 予約再診

備考

  • 睡眠時無呼吸外来
    日時:月曜日〜金曜日 8:30〜11:30
    内容:睡眠中の呼吸休止、日中の眠気、倦怠感など、睡眠時無呼吸症候群の疑いの方は受診して下さい。
       検査は 1 泊入院となります。