腎臓・泌尿器科

概要

2009年4月からスタートした腎臓・泌尿器科は、従来内科の一専門分野であった腎臓内科領域と、外科系の一専門分野であった泌尿器科を統合させたものです。

腎臓内科領域につきましては、腎不全に進行する患者さんを少しでも減らすべく、慢性腎臓病の治療・腎生検による的確な診断を行っております。また、末期腎不全の患者さんについても透析治療を行っており、適応がある患者さんには生体腎移植治療も実施しています。このほかに、透析用シャント血管不全の血管内治療に力を入れており、県内で最多の施行実績があります。

膠原病領域につきましては、2022年4月に専門医が赴任しました。原因を特定できない関節症状/広範囲疼痛、長引く発熱/炎症反応のほか、特にシェーグレン症候群の診療に力を入れております。

泌尿器科領域につきましては、悪性腫瘍、尿路結石、排尿障害、小児泌尿器科、女性泌尿器科などに対応しております。腎、副腎の腹腔鏡下手術、前立腺癌に対するロボット支援手術、尿路結石に対する内視鏡治療、膀胱脱・子宮脱など骨盤臓器脱に対する手術、腎移植等、高度な外科手術に取り組んでおります。

医師紹介

院長

小松 和人 (こまつ かずと)

免許取得年
昭和60年
資格
日本泌尿器科学会指導医・専門医、日本泌尿器科学会 日本Endourology・ESWL学会泌尿器腹腔鏡技術認定制度認定、日本内視鏡外科学会技術認定(泌尿器腹腔鏡)、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、福井大学臨床教授

腎センター長(腎臓・泌尿器科代表部長兼務)

角野 佳史 (かどの よしふみ)

免許取得年
平成5年
資格
日本泌尿器科学会指導医・専門医、日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会泌尿器腹腔鏡技術認定医、泌尿器ロボット支援手術プロクター認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本移植学会移植認定医、日本排尿機能学会認定医

医監(緩和ケア病棟)

塚原 健治 (つかはら けんじ)

免許取得年
昭和49年
資格
日本泌尿器科学会指導医・専門医

部長

伊藤 正典 (いとう まさのり)

免許取得年
昭和61年
資格
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医、日本腎臓学会専門医・指導医、日本透析医学会専門医・指導医、福井大学臨床教授
写真はありません

部長

河野 眞範 (こうの まさのり)

免許取得年
平成10年
資格
日本泌尿器科学会指導医・専門医、日本泌尿器科学会日本Endourology・ESWL学会泌尿器腹腔鏡技術認定、日本内視鏡外科学会技術認定医(泌尿器腹腔鏡)、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、ダビンチ手術 サーティフィケイト取得、泌尿器ロボット支援手術プロクター認定医

部長

髙田 昌幸 (たかだ まさゆき)

免許取得年
平成12年
資格
日本泌尿器科学会指導医・専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、ESWL学会泌尿器腹腔鏡技術認定、日本内視鏡外科学会技術認定医(泌尿器腹腔鏡)、日本移植学会移植認定医、ダビンチ手術 サーティフィケイト取得、ICD制度協議会認定インフェクションコントロールドクター

副部長

山内 寛喜 (やまうち ひろき)

免許取得年
平成15年
資格
日本泌尿器科学会指導医・専門医、日本泌尿器科学会泌尿器腹腔鏡技術認定、ダビンチ手術 サーティフィケイト取得

副部長

鈴木 康倫 (すずき やすのり)

免許取得年
平成18年
資格
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医、日本リウマチ学会専門医・指導医・評議員、日本腎臓学会専門医・指導医、日本透析医学会専門医・指導医、日本臨床免疫学会免疫療法認定医、日本腹膜透析医学会認定医、日本化学療法学会抗菌化学療法認定医、日本リウマチ財団登録医、日本腎代替療法医療専門職推進協会腎代替療法専門指導士、ICD制度協議会認定インフェクションコントロールドクター

副部長

松井 佑樹 (まつい ゆうき)

免許取得年
平成19年
資格
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本腎臓学会専門医、日本透析医学会専門医、日本移植学会移植認定医

医師

品川 友親 (しながわ ともちか)

免許取得年
平成21年
資格
日本泌尿器科学会指導医、日本泌尿器科学会泌尿器腹腔鏡技術認定

医師

山岸 瑞希 (やまぎし みずき)

免許取得年
平成22年
資格
日本内科学会認定内科医、日本腎臓学会専門医

医師

森田 紗由 (もりた さゆ)

免許取得年
平成24年
資格
日本内科学会認定内科医、日本腎臓学会専門医、日本透析医学会専門医

医師

石淵 絹人 (いしぶち けんと)

免許取得年
平成26年
資格
日本内科学会認定内科医、日本腎臓学会専門医、日本透析医学会専門医
小林 麻美子(こばやし まみこ)

非常勤医師

小林 麻美子 (こばやし まみこ)

免許取得年
平成24年
資格
日本内科学会認定内科医
写真はありません

非常勤医師

伊藤 清亮 (いとう きよあき)

免許取得年
平成17年
資格
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本リウマチ学会専門医、日本腎臓学会専門医

連携医の先生方へ

腎臓・泌尿器科は内科系、外科系の腎尿路疾患に広く対応します。
腎臓内科領域では、検尿異常、急性、慢性の腎機能障害の診断と治療、慢性腎不全に対する腎代替療法(透析医療、生体腎移植)、血液透析内シャント作製と血管内治療などの診療を展開しております。

膠原病領域では、原因を特定できない関節症状/広範囲疼痛、長引く発熱/炎症反応のほか、当院の特色としてシェーグレン症候群の診療に力を入れております。ドライアイ、ドライマウスを主訴にご紹介いただく場合は、可能であれば抗核抗体と抗SS-A/Ro抗体の2つをオーダーして頂き「抗核抗体セントロメアパターン かつ/または 抗SS-A/Ro抗体陽性」の場合に御紹介下さい。乾燥症状に関しては当科ではシェーグレン症候群か否かを評価します。シェーグレン症候群らしくないと判断する場合には、ドライアイ・ドライマウス症状に対して眼科・耳鼻咽喉科・歯科口腔外科など当該診療科での診療継続をお願い申し上げます。
泌尿器領域では、ロボット支援手術(前立腺癌、腎癌、膀胱癌)に取り組んでおり、腹腔鏡下手術、その他尿路結石、排尿障害、小児泌尿器科、女性泌尿器科など高度で幅広い診療を行なっています。
ご紹介をいただいた患者さんは迅速、丁寧に診療を行い、情報をお返しします。当院からの逆紹介の推進にも力を注いでおります。

 

その他

対象疾患

副腎、腎臓、尿路、前立腺、男性器等を対象にしています。

  • 腫瘍 : 副腎腫瘍、腎臓腫瘍、腎盂尿管腫瘍、膀胱腫瘍、前立腺腫瘍、精巣腫瘍など
  • 尿路通過障害 : 上部尿路狭窄、前立腺肥大症、尿道狭窄など
  • 尿路結石 : 腎臓結石、尿管結石、膀胱結石など
  • 尿路性器感染症 : 腎盂腎炎、膀胱炎、前立腺炎、精巣上体炎、尿道炎など
  • 女性泌尿器科 : 尿失禁、排尿困難、性器脱、間質性膀胱炎など
  • 小児泌尿器科 : 尿路奇形、陰嚢水腫、停留精巣、包茎など
  • 排尿障害 : 前立腺肥大症、頻尿・尿失禁、神経因性膀胱など
  • 腎不全 : 腎移植、透析シャント血管狭窄および閉塞、CAPDなど
  • 膠原病:関節リウマチ、脊椎関節炎全般、痛風・偽痛風、若年性特発性関節炎(成人診療科への移行)、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、炎症性筋疾患全般、混合性結合組織病、血管炎全般、IgG4関連疾患、ベーチェット病、成人スチル病、サルコイドーシス、再発性多発軟骨炎、線維筋痛症、自己炎症性疾患全般 など

腎臓内科部門

腎生検での腎臓病診断について

健康診断などで「たんぱく尿」や「血尿」といった「おしっこ(尿)の異常」が見つかる場合があります。また血液検査で「クレアチニン」という腎臓の働きを示す検査の異常が見つかる場合があります。腎臓の役目は、全身の血液・体液を浄化して老廃物を捨てるためのおしっこ(尿)を作ることで、体を常に安定した状態に保つのです。その大切な腎臓に病気が起こるとき、厄介なことに、かなり悪化しないと自覚症状は出ない場合が多いのですが、おしっこ(尿)や「クレアチニン」の異常として見つかります。

腎臓病は、腎臓そのものの病気である「慢性腎炎」や「急速進行性腎炎」、糖尿病や高血圧といった生活習慣病に引き続いて起こる「糖尿病性腎症」や「腎硬化症」、生活習慣病以外のいろいろな病気に伴って起こる「続発性腎障害」、家族性のある「多発性嚢胞腎」や「遺伝性腎炎」など、様々な種類がありますが、それぞれで進行具合や治療法が異なっています。また、ほとんどの腎臓病は慢性的な経過を辿るために、慢性腎臓病(CKD)として付き合っていくことになりますが、CKDの原因をしっかり調べて適切な治療をすれば、より腎臓を守っていくことができます。

腎臓病の正確な診断のための検査として、「腎生検」があります。腎臓の組織の一部を細い針で採取して、腎臓の構成要素である糸球体・尿細管・間質・小血管を詳しく観察することで、腎臓病をかなり正確に診断できます。腎臓には1分間におよそ1Lもの大量の血液が流れていますので、腎生検に伴う出血のリスクを最小限にするために検査後の安静がとても大切です。また、同時に蓄尿することで詳しい腎臓の検査も行いますので、5~7日間の入院が必要となります。腎臓病が発症してから長期間になると、CKDが進行して腎臓が小さく硬くなるために腎生検ができなくなります。治療可能な腎臓病をしっかり診断して治したり、慢性的な腎臓病でも腎機能の悪化を遅らせる可能性を高めるために、おしっこ(尿)や「クレアチニン」の異常が分かったら、早めに腎臓専門医を受診するようにしてください。その上で、腎生検による腎臓病の診断が望ましいと考えられる患者さんには、メリットとリスクを含めて十分にご相談させていただき、治療方針を決定します。腎生検ができない患者さんに対しても、その他の検査や経過を追うことで、なるべく正確性の高い腎臓病の診断を付けて、適切な治療を受けることができるように努めております。

慢性腎臓病(CKD)教育入院について

慢性腎臓病(CKD)とは、慢性に腎機能が低下したり、たんぱく尿を認めたりする腎臓病のことです。将来、進行すると、末期腎不全状態になり、透析や腎臓移植を受けなくてはいけなくなる場合もあります。また、CKD自体が、心血管疾患を引き起こす危険因子であることがわかっています。CKDを引き起こす疾患は、糖尿病、高血圧、慢性腎炎などが代表的です。CKDの怖いところは、末期腎不全に至るまで、全く症状が出ないことが多いことです。症状が現れる頃にはすでに手遅れの場合があります。

このCKDは、早く診断し、適切な食事療法や内服療法を行うことで、かなり進行を抑えられることがわかってきました。そのためには、健診やかかりつけの医療機関でたんぱく尿や血尿を指摘されたり、腎機能の低下を指摘されたりした場合は、ためらわずに早めに当院のような腎臓専門医を受診していただくことが大切です。そして何よりも、患者さんご自身に腎臓病や食事療法をしっかりご理解いただくことが大切です。

患者さんご自身の腎臓病をご理解いただき、CKDの進行を抑える方法をしっかり覚えていただくため、当院では慢性腎臓病(CKD)教育入院を行っています。日常外来では短時間しか診察ができないことも多く、十分にご指導できないことが多いです。その点、入院ですと、ゆっくり時間をかけて、当院の腎臓専門医や腎臓専門看護師、栄養士をはじめとする専門のスタッフが納得ゆくまでご指導し、実際の食事を体験していただくことで、患者さんのCKDに対する理解が非常に深まり、その後の日常生活でCKDを進行させないような生活を送ることができるようになります。

実際、入院された患者さんにも大変好評を得ており、「腎臓の治療に対する考え方が変わった。」「知らなかったことが多く、知らないまま生活していたらと考えると恐ろしい。」「最初入院と聞いて嫌だったけど、入院しなければこんなにじっくり勉強できなかった。ありがとう。」との声をいただいております。

入院は基本的に7日間ですが、2日間は勉強したことを自宅で実践していただく外泊日になっておりますので、実際に病院で過ごしていただくのは4~5日間ほどになります。もちろん、検査や学習時間が入っていない時の臨時の外出は可能です。

健康診断で血尿やたんぱく尿を指摘されたけど、症状がないからそのままにしている方はいらっしゃいませんか?自分が慢性腎臓病(CKD)かどうかわからず不安という方、CKDということがわかっているがどのように対処していいかわからないという方は、一度お気軽に当科を受診してみてください。

透析用シャント血管治療について

当院で行っているVAIVT(経皮的シャント拡張術)をご紹介します。当院では毎年、年間約200例の施行実績があります。基本的に日帰り入院(場合により1泊2日入院)していただき、行っております。まず、患者さんのシャント血管にシースと呼ばれる専門のプラスチック針を穿刺します。このシースから、種々のテクニックを用いて、狭窄部に細いガイドワイヤーを通します。ガイドワイヤーが通ったら、それに沿って、バルーンカテーテルを通し、狭窄部へ進め、特別な加圧器(インデフレーター)を用いて狭窄部を拡張します。終了したら、バルーンカテーテル・ガイドワイヤー・シース全てを抜去して止血し、終了です。

超音波(エコー)での透析用シャント血管治療について

拡張前

バルーン拡張中

拡張後

VAIVTの最大の利点は、シャント血管が短くならないということです。再建術は、多くの場合、狭窄部よりも体幹側で動静脈を再吻合する必要があり、シャント血管の短縮が避けられず、穿刺範囲がどうしても狭まりますが、VAIVTは、そのようなことがありません。一方、3カ月以内に頻回にシャント狭窄の再発を起こし、他に再建術に適した血管がある場合などは、VAIVTでなく再建術が適しており、当院でも行っています。

多くの医療機関では、VAIVTはレントゲンを用いて、血管の中に造影剤という検査薬を注射して行いますが、当院では、造影剤を用いない超音波(エコー)でのVAIVTも多く行っています。超音波下のVAIVTの場合、余計な造影剤を体内に注入する必要がなく、レントゲンによる被ばくもなく、副作用の少ない治療が可能になります(ただし、医師の判断により、超音波下のVAIVTが不適切と判断された場合は、レントゲンと造影剤を用いて行います。万一造影剤アレルギーがある場合でも、造影剤の代わりに炭酸ガス(体に無害です)を用いるVAIVTも行っています。ご安心ください。)

当院では、日々患者さんに実際に接する透析担当医である腎臓内科医自身がVAIVT(シャント血管内治療)を行っており、シャント診察にも深く関わっています。透析治療を日々行う医師自身が、シャント治療にも精通していますので、適切できめ細かな治療が可能です。

他院の患者さんでも、随時シャント診察・シャント治療を受け付けています。治療が必要か否か、治療法はVAIVTが良いのか再建手術が良いのかなどについてシャントに精通した医師が適切にアドバイスいたします。診察をご希望の患者さんは、透析を行っている病院・クリニックの担当医の先生を通して、当院の外来予約をお取りいただき、紹介状を持参の上、ご来院ください。

※VAIVT(経皮的シャント拡張術)など、腎不全に対する手術の実績は「診療実績」をご参照ください。

 

膠原病について

膠原病(こうげんびょう)とは?

膠原病と聞いて、どのようなイメージを持たれるでしょうか?「聞いたことがない」「難病」「何だかこわい」など、ネガティブな意見が多いかもしれません。しかし、膠原病の診断・治療は我々専門家ですらついていくのが大変なほど毎年急速に進歩しており、多くの方は外来通院で良くなっています。
膠原病とは何か、を一言で表現するのは難しいのですが、最もお伝えしたいのは「膠原”病”は1つの病気の名前ではなく、100以上の病気の総称(病気のグループ)である」ということです。

膠原病には他に以下のような特徴があります。

  • リウマチ性疾患:温泉の効能に書いてある”リウマチ”、つまり関節や筋肉が痛くなる病気。
  • 全身性炎症性疾患:全身に炎症(火事)を来し、発熱や体重減少、倦怠感などを呈する。
  • 多臓器の障害:1つの病気で肺、腎臓や神経など複数の臓器が同時に障害される。
  • 慢性疾患:薬をうまく使いながら、専門家とともに長く診ていく病気。
  • 自己免疫疾患:細菌やウイルスと戦うべき免疫の力が自分の身体に向かってしまう病気。
主な膠原病の名称
関節などが痛くなる病気 関節リウマチ、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患に伴う脊椎関節炎、末梢性脊椎関節炎、リウマチ性多発筋痛症、痛風、偽痛風、若年性特発性関節炎 など
自己抗体という検査異常に関わる病気 全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性強皮症、皮膚筋炎・多発性筋炎、混合性結合組織病、抗リン脂質抗体症候群 など
血管炎 高安動脈炎、巨細胞性動脈炎、ANCA関連血管炎、結節性多発動脈炎、IgA血管炎、クリオグロブリン血症性血管炎 など
その他 IgG4関連疾患、ベーチェット病、成人スチル病、サルコイドーシス、再発性多発軟骨炎、線維筋痛症、自己炎症性疾患 など
診療の流れ

①膠原病を疑う症状は次の3つです。まずは、お近くのかかりつけ医(主治医)に相談しましょう。

  • 長引く関節・筋肉の痛み
  • 長引く発熱
  • その他の臓器症状 など

②当院を受診する際は、かかりつけ医からの紹介状を持参してください。

③かかりつけ医からの提供情報、頭から足の先までの全身診察、採血、画像検査、各臓器専門医への相談などから総合的に診断し、副作用が少なく、効果を十分に発揮できる治療を選択します。

※膠原病の初診外来は原則木曜日に紹介予約をお願いしています。お急ぎの場合はご相談ください。

診断と治療

膠原病は長く付き合う病気なので、特に最初が肝心です。丁寧に診断することで今後10年、20年の見通しを立てます。膠原病の診断では「この検査が異常なら決まり」というものはありません。症状の経過、診察、採血に加えて、痛い部位のX線写真や超音波検査などを総合的に判断して診断します。
主な症状は、長引く痛みや発熱、何らかの膠原病を疑う臓器症状ですが、専門家でも判断が難しい場合があり、かかりつけ医の紹介状を持参していただくことをお勧めします。
治療の進歩は目ざましく、毎年のように新しい薬が開発されており、できるだけ副作用を出さずに長い療養生活を過ごすことができるよう日々工夫しながら診療しています。専門家による診断と治療を受ければ、多くの方は普通に仕事し、普通に妊娠・出産できています。
同じ病名でも個人差が大きく、インターネットで検索してもご自分の状況にあった答えはなかなか得られません。何か不安があればお気軽に専門家へご相談ください。

 

 

 

 

泌尿器科部門

※各手術の実績は「診療実績」をご参照ください。

腹腔鏡下手術

腹腔鏡下手術は当院において外科、産婦人科と共に積極的に行われています。当科では年間約100件の腹腔鏡手術を行っています。主に副腎、腎臓、前立腺、膀胱に関して可能な例には全例施行しています。

傷を小さくし患者さんに与える負担を軽減し、内視鏡での拡大視野のもと緻密な操作が可能ですが、高度な技術を要します。当科では日本内視鏡外科学会・日本泌尿器内視鏡学会の技術認定を受けた医師が責任を持って執刀・指導を行っています。

尿路結石に対する集学的治療

尿路結石に対しては経尿道的尿管砕石術(TUL)を中心に、経皮的腎砕石術(PNL)、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)と組み合わせて治療を行っています。経尿道的尿管砕石術は年間80-100例、体外

衝撃波結石破砕術は年間約50例です。 経尿道的尿管砕石術は3泊4日、体外衝撃波結石破砕術は1泊2日の入院をお願いしています。

 
 

 

内視鏡的手術

外科的治療が必要な前立腺肥大症、膀胱腫瘍の大多数は内視鏡治療を行っています。経尿道的前立腺切除術(TUR-P)、経尿道的前立腺レーザー核出術(HoLEP)、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)など、年間症例数は100-150例ほどです。

集学的癌治療

泌尿器科領域の悪性腫瘍(副腎、後腹膜、腎臓、腎盂、尿管、膀胱、前立腺、膀胱、尿道、陰茎、精巣)に対応いたします。外科治療、化学療法、放射線療法を使い分けて治療を行います。

 

よくあるご質問とお答え集

健康診断で尿潜血と言われました。専門医の診察が必要でしょうか?

尿潜血は必ずしも血尿を意味するものではありません。しかし腎炎などの内科的病気や結石、腫瘍などの泌尿器科的病気の発見のきっかけになり得ますので一度は専門医の診察を勧めます。

泌尿器科に行くと恥ずかしい思いをしませんか?

ご心配はもっともです。 医師・外来看護師は患者さんのプライバシーに配慮しつつ御案内します。

前立腺癌かどうかはどうやって調べていますか?

当院では外来で、診察、採血(前立腺特異抗原:PSA)、経直腸的超音波断層を行っています。このうちいずれかで異常があった場合、1泊2日の予定で生検(前立腺に細い針を刺して組織を採取する検査)を予定します。PSAが4-10 ng/mlであった場合、前立腺癌と診断される確率はおよそ15-20%,PSAが10 ng/mlを超えた場合はおよそ50%です.生検は15分ほどで終わりますが、針を刺すときの鈍い不快感がありますので、当院では簡単な麻酔を行っています。出血や発熱などの合併症(1-2%)に備えて1泊の入院をお願いしています。

結石破砕は外来でできますか?

当院では毎週火、木に体外衝撃波結石破砕術(ESWL)を行っています。ESWLは簡単な手技ですが、まれに痛みや発熱などの症状を伴うことがありますので原則1泊の入院をお願いしています。

腹腔鏡手術はどのような病気に行っていますか?

副腎、腎臓、尿管など可能な疾患すべてに腹腔鏡下手術の技術を取り入れています。日本内視鏡外科学会・日本泌尿器内視鏡学会の技術認定を受けた医師が責任を持って執刀・指導を行っています。

初期の前立腺癌と言われました。福井赤十字病院ではどのような治療選択になりますか?

無治療経過観察、ダヴィンチを用いたロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術、強度変調放射線療(IMRT)、内分泌療法を行っています。いずれにしても、前立腺癌の治療方針は様々であり、患者さんの年齢、病状、希望に併せて治療方針を相談します。

手術が必要でも福井赤十字病院でできない場合がありますか?

すべての手術は十分な修練と技術が必要であることは言うまでもありません。当科の医師は一般泌尿器科の十分な修練を積んでいますが、一部の特殊な領域には完全には対応ができません。腎癌下大静脈腫瘍塞栓など血管外科との合同手術が必要な場合や、尿道形成術など特殊な小児形成手術では専門医を招聘したり、専門病院に紹介します。逆に腹腔鏡下手術、新膀胱造設術などでは、北陸を中心に複数の病院に手術の応援を行っております。

外来の待ち時間が長いので困ります。

大変ご迷惑をおかけしています。専門的な治療が必要なくなってきた患者さんや、あまりお時間の無い患者さんは積極的にかかりつけの先生にご紹介しますので、お申し付けください。

かかりつけのお医者さんとの兼ね合いはどうなりますか?

当科では泌尿器科の専門的な加療を行っていますので全身状態を知る上でかかりつけの医師の診断、投薬内容はできるだけお知らせいただけると幸いです。受診の際に、かかりつけの先生に御相談いただき、紹介状を書いていただくことをお勧めします。当科での必要な治療が終わり、内服加療が継続必要な場合などはかかりつけの先生に紹介をし、加療の継続をお願いしております。

小児泌尿器科ではどこまで治療を行っていますか?

小児泌尿器科は泌尿器科の専門領域の中でのひとつの分野です。当院泌尿器科では、小児泌尿器科領域のすべての診断を行っています。外科的加療について、複雑な尿路奇形など特殊なものは十分な経験を積んだ小児泌尿器科専門医の執刀が望ましい例があります。そのような場合は、当該施設から経験のある小児泌尿器科医を招聘したり、専門施設へ紹介をいたします。

不妊症の治療は行っていますか?

2017年現在、不妊の治療は行っておりません。当科を受診された場合、適切な医療機関を紹介いたします。

紹介・予約がないと診療してもらえないのでしょうか?

これまでの経過記録や薬剤内容がわかることは診療にとって大きな利点ですので、かかりつけ医師に、紹介状を書いていただき当院連携室から診療予約をお取りいただくことをお薦めいたします。緊急の方はその限りではありません。

専門医制度と連携したデータベース事業について

「腎臓・泌尿器科を受診されている患者さんへ」

我が国の医療の現状(どのような場所でどのような医療が行われているか)を把握するため、一般社団法人を立ち上げ、データベース化を開始することになりました。当院、腎臓・泌尿器科も平成30年4月1日より参加しますので、ご理解とご協力をお願いいたします。

また、患者さんやご家族の方が登録を拒否したい場合はお申し出くださるようお願いいたします。

詳細はこちら

外来担当医表

S21番ブース
午前 1診 髙田(再診) 角野(再診) 角野(再診) 高田(再診) 塚原(再診)
2診 山内(再診)

河野(初診・予約外)

河野(再診) 河野(再診) 品川(再診)
3診

角野

(初診・予約外)

山内(再診)

山内

(初診・予約外)

品川

(初診・予約外)

高田
(初診・予約外)
5診(腎内) 森田(再診)

伊藤清(再診)

松井(再診) 伊藤正(再診)

山岸(再診)

6診(腎内) 山岸
(初診・再診)
松井(初診・再診)

石淵

(初診・再診)

鈴木(初診・再診)

森田(初診・再診)

7診(腎内) 伊藤正(再診) 伊藤正(再診) 伊藤正(再診) 腎内予備 伊藤正(再診)
8診

小松(予約)

品川(再診) 小松(再診) 看護相談

看護相談

10診

小林

【腎内】

鈴木(再診)

【腎内】

鈴木(再診)

【腎内】

 

石淵(再診)

【腎内】

透析 鈴木

石淵

山岸 石淵 鈴木
午後 透析 森田 伊藤正 森田

伊藤正

松井
腎移植外来(午後) 看護相談 髙田 塚原(再診) 看護相談 看護相談

備考

  • 受付時間 11:00まで
  • 膠原病初診:[木曜日]鈴木Dr(膠原病の初診外来は原則木曜日に紹介予約をお願いしていますが、お急ぎの場合はご相談ください。)
  • 透析外来:[土曜日]交代制(午前・午後)