ダビンチXi

手術支援ロボット「ダビンチ」

福井赤十字病院では、2016年2月に最新型の手術支援ロボット da Vinci Xi(ダビンチ)システムを泌尿器科領域の前立腺がんに導入し、以後腎臓がん、膀胱がんにも適用範囲を拡大しました。さらに消化器外科領域で2018年7月に福井県では初となる胃がん手術を施行、同年10月には福井県一例目の直腸がんに対するロボット支援下手術を行いました。現在では、肝がんや膵がん、結腸がんに適用拡大しています。2024年7月末時点で手術件数合計は泌尿器科が814件、外科が319件です。呼吸器外科領域でも2024年7月から肺がんに対してロボット支援下手術を行なっています(県内唯一)。

ダビンチ手術は3D画像をみながら手術を行ないます。人間の手以上に自由な動きをする多関節鉗子を備えています。また実際の人間の手の動きを縮尺して鉗子を動かすことができるモーションスケーリング機能を備えています。これらの装備により、良い視野の中で人間の手より細かく繊細な操作が可能となっています。したがって、腫瘍を正確に切除でき、出血量が少なく、合併症のリスクが低減します。手術後の回復も早く、入院期間も短縮されるため、早期の社会復帰が可能となります。

手術支援ロボットが自分の意思で勝手に手術をするわけではありません。コンソールという機械に座っておこなう腹腔鏡手術の一種です。精密な内視鏡手術を行うことを支援するための最新鋭コンピューターシステムであり、自由に動くロボットアームを体内に挿入し、熟練した医師が遠隔操作して手術を行います。医師がコントローラーやペダルを用いて腹腔鏡(カメラ)や鉗子を操作しています。

ダビンチ手術は、厳格な基準をパスした医師にしか執刀できません。

今後もスキルアップを図り、多くの患者さんに質の高い治療を提供することができればと思います。

手術支援ロボット da Vinci Xi

胃の中を縫合

3D映像を見ながらロボットアームを操作

3D映像を見ながらロボットアームを操作