その人らしい生活を支える急性期リハビリテーション
急性期リハビリテーションってなに?
当院では急性期リハビリテーションとして、急な病気やけがの発症から1か月くらいの期間のリハビリテーションに取り組んでいます。一般病棟はもちろん、集中治療室(ICU)、脳卒中ケアユニット(SCU)にスタッフを配置し、「今、そのとき」に行える最善のリハビリテーションとして、運動、言語、呼吸、摂食嚥下(せっしょくえんげ)(飲み込み)、精神・認知などの機能維持、改善、再獲得を支援していきます。
ベッド上での呼吸リハビリや手足の運動から開始することが多く(写真1)、状態の改善をみながら、座る練習、立つ練習へと進めています。人工呼吸器をつけた状況でも、苦痛なく安全に配慮し、立ったり、歩いたりする練習を行うこともあります(写真2、3)。
急性期リハビリテーションは 何のためにするの?
病気やけがの発症後や手術後は、ベッド上で動けない期間があることが多く、廃用症候群*1(はいようしょうこうぐん)や肺炎、尿路感染症(にょうろかんせんしょう)、深部静脈血栓症*2(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)、床ずれなどの合併症に陥る危険性があります。
そこで、治療や安静期間の状況に応じて、ベッド上でのトレーニング、座る練習、ベッドから離れて移動する練習を行い、早期に入院前の生活に近づけることや、早期に社会復帰を目指すことが目的となります。
*1 廃用症候群:過度な安静により筋力の低下や関節が硬くなる状態
*2 深部静脈血栓症:足から心臓へと血液をもどす血管に血の塊ができて詰まってしまう病気
急性期リハビリテーションは いつから始めるの?
当院の場合、病気やけがの状態によって違いますが、ICUでは入室当日から早期離床チームが介入します。SCUでは入院当日から理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が介入します。一般病棟においても早ければ入院当日や手術翌日から行います。
そんなに早く始めて危なくないの?
医師、看護師、薬剤師、社会福祉士、管理栄養士、臨床工学技士などの多職種と連携し、さまざまな情報を共有します。そのうえで患者さんの身体状態に合ったリハビリテーション内容であるかを検討してリハビリテーションを実施します(写真4)。多職種カンファレンス(検討会)は、ICUでは毎朝、SCUでは発症当日に行っています。
また、さまざまな疾患に対応したリハビリテーションチームを作り、専門資格(表)を持つスタッフが中心となり、専門性の高いリハビリテーションを提供しています。
摂食嚥下リハビリテーションでは、飲み込みの検査や評価、リハビリテーションを行い、機能の改善を図ります。また、飲み込みの状態に応じた食事形態や食べ方などを検討し、安全に食事ができるような取り組みを行っています(写真5)。
患者さんの意識・精神状態や呼吸の状態、筋力などの身体機能の確認を行い、患者さんの変化に合わせて積極的なリハビリテーションを実施しています。
急性期リハビリテーションは いつまで続けるの?
入院前の生活は、患者さんによってさまざまですので、それぞれの退院後の生活を見据えた目標を立てて取り組んでいます。目標が達成できた時点で終了となります。リハビリテーションの継続が必要な場合、回復期リハビリテーション病院などの連携病院を紹介し、転院していただいています。転院先については、社会福祉士を中心に相談を行っています。



