心不全の早期発見・早期治療

心不全の早期発見・早期治療

心不全とは

図1 心不全の症状

心不全とは、「心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり生命を縮める病気」です。

心臓は全身に血液を送り出すポンプの役割をしています。心臓から十分に血液を送れなくなると循環が悪くなり、息切れがして疲れやすくなり、むくみが出て横になると息苦しくなります(図1)。

心不全の原因には、血管の異常(狭心症・心筋梗塞(しんきんこうそく))、心臓の筋肉の異常(心筋症)、心臓にある弁の異常(弁膜症)、脈の異常(不整脈)などがあり、高血圧や糖尿病、腎不全(じんふぜん)といった病気は心不全の経過に大きな影響を及ぼします。症状がよくなっても心不全が完全に治ったわけではなく、悪化と改善を繰り返しながら徐々に進行します。近年の高齢化に伴い、心不全は今後も増え続けると予想されています。

心不全のステージ

心不全はAからDの4つのステージがあり、心不全で命を落とさないためにはステージが進行しないように治療しなければなりません(図2)。

図2 心不全とそのリスクの進展ステージ
(厚生労働省「脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の在り方について」(平成29年7月)をもとに作図)

ステージAは、高血圧、糖尿病、動脈硬化など危険因子を抱えている段階です。ステージBは、心臓の異常が現れてきた状態です。心臓が大きくなる状態のほか、狭心症・心筋梗塞・弁膜症・不整脈などもステージBとなります。ステージCになると、息切れやむくみなど心不全の症状が出ます。この時期になると急に悪くなり、入院や突然死を起こすこともあります。ステージDは、心不全の治療に反応しなくなった末期の状態です。

心不全が進行した状態では治療は困難になりますので、ステージAやBの段階から対策を行うことが重要です。自己管理のために健診を受け、高血圧や糖尿病などがあれば治療を受けましょう。

心不全の検査と治療

心不全を治療するためには、心不全の重症度や原因となっている病気を調べる必要があります。採血で心臓に負担がかかると分泌されるBNPというホルモンの量を測り、心電図で心筋梗塞や不整脈がないか、胸部X 線で肺に水が溜(た)まっていないか確認します。また、心エコーで心臓の形や大きさ、心臓のポンプ機能などを調べます。

治療の基本は薬物療法と生活管理です。決められた薬を毎日飲むこと、塩分や水分を取り過ぎないこと、心身の負担になりすぎる活動は避けることなど、生活習慣の見直しと日頃の体調管理に気をつけることが大切です。また、心筋梗塞では心臓の血管に対するカテーテル治療、不整脈にはアブレーション治療など、心不全の原因に応じた治療を行い、機械を植え込んだり、手術をすることもあります。

心不全の再発予防

心不全の再発予防には、心不全増悪*1の早期発見・早期治療介入が重要です。入退院を繰り返すと身体機能が低下するため、入院中に心不全ポイント自己管理ツールを導入し、受診するタイミングを明確にしました(図3)。本人や医療関係者だけでなく、心不全の専門知識がない方でも共通の指標で連携することで、心不全増悪の早期発見につながることを目標にしています。

図3 心不全ポイント自己管理ツール
(「ハートノート 第3版」2021年11月、一般社団法人健康医療クロスイノベーションラボより引用)

*1 増悪:もともと悪かった状態がもっと悪くなること

心不全と診断されたら 考えてほしいこと

最後に、心不全と診断されたら考えてほしいことが2つあります(図4)。

図4 心不全と診断されたら考えていきたいこと

1つ目は病気とうまく付き合うことです。調子が悪くなるサインに早めに気づいて受診し、悪化させないようにしましょう。

2つ目は心不全が悪くなったときに備えることです。生きるうえで大切だと思っていること(価値観)や、どのように生活したいかという気持ちを伝えておくようにしましょう。

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