がん治療の均てん化と、さらなる質の向上をめざして

がん治療の均てん化と、さらなる質の向上をめざして

腫瘍内科とは

腫瘍(しゅよう)内科は、がんの診療に特化した新しい内科の一分野です。がん種を横断的な視点から捉え、がん薬物療法(抗がん剤治療、免疫療法、分子標的療法、ホルモン療法など)に加え、痛みなどのさまざまなつらさや問題を和らげるサポート(緩和ケア)を提供することが主な役割です(図)。

図 治療学としての臨床腫瘍学

また、手術、放射線治療、がん薬物療法など複数の治療法から最適な組み合わせを考えるために、各診療科の橋渡し役を務めています。しかし、ニーズの高まりに反して、残念ながら日本中で腫瘍内科医はまだ不足しているのが実情です。

標準治療の実践

がん治療は、副作用や合併症を完全に回避することが難しい医療です。そのため、どのような治療やその組み合わせが最適であるかを評価するために、世界中で臨床試験が行われ、有効性と安全性が検証されてきました。これらの結果はエビデンス(科学的根拠)として集積され、多くの専門家によって吟味された結果、最良であると合意されたものが標準治療です。

したがって、「標準」という言葉は「並」という意味でなく、まず推奨されるべき治療という意味であり、福井であっても東京であっても変わりません。

エビデンスを使う、伝える、作る

当院では、2024年10月より毎週木曜日に腫瘍内科外来を開設しました。最新のエビデンスならびに患者さんの病状や価値観を把握したうえで、その人にとって何がベストな治療であるかを考えて診療に従事しています。具体的には、複数の治療選択肢がある場合の使い分け、副作用の管理方法、合併症がある場合の対応、原発不明がん(どこで始まったかわからないがん)や希少がん(組織型)、複数のがんがある場合の対応、などの相談を請け負っています。セカンドオピニオンとしても活用できますので、希望があれば主治医にお申し出ください。

前述のように、エビデンスを適切に使うことも大切ですが、それを他の医療従事者にわかりやすく伝えること、新たなエビデンスを作ることも重要です。院内スタッフには講義形式で知識と経験を共有しています。また、担当医自身も臨床試験に携わり、新たなエビデンスの創出に努めています。

直接お目にかからない患者さんも多いかとは思いますが、がん治療の向上のため各方面に尽力している腫瘍内科という診療科があるということをご記憶いただければ幸いです。

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