糖尿病とともに生きること

糖尿病とともに生きること

糖尿病ってどんな病気なの?

図1 血糖が上がるしくみ

糖尿病というと、「尿に糖がおりる」病気と思いがちですね。しかし、実際には「血糖(血液中のブドウ糖濃度)」が上がり過ぎる、それで尿にも溢れ出る」病気です。

ブドウ糖は、炭水化物という栄養素に由来する、体全体のための「エネルギー」です。それは(いったん肝臓を経て)血液に乗って運ばれ、いろいろな組織や内臓に届けられます。なかでも、血液中から、たくさんのエネルギーを消費する筋肉、そしてエネルギーを貯蔵しておく脂肪組織へと入っていくときに、インスリンというホルモンが必要です。それは「入口の鍵」なのです。このインスリンが働きにくくなると、ブドウ糖はうまく使えなくなって、血液の中で溢れかえってしまいます(図1)。

このようにして血糖が上がると、眼や腎臓(じんぞう)、神経の合併症、あるいは心臓や脳、足の動脈硬化を進行させてしまいます。それだけではありません。細菌やウイルスがつきやすくてコロナや結核にかかりやすくなり、虫歯が増え、また、ある種のがんにもなりやすくなり、結果的に寿命を縮めてしまうのです。

糖尿病にはどんなタイプがあるの?

糖尿病には4つのタイプがあります。

1型糖尿病:インスリンは、膵臓(すいぞう)のβ細胞という特殊な細胞でつくられます。1型糖尿病は自分自身の免疫がβ細胞を破壊してしまい、インスリンの分泌ができなくなってしまいます。

2型糖尿病:中年以降、運動不足と食べ過ぎにより太り気味の人がなりやすい、いわゆる生活習慣病に含まれる糖尿病です。糖尿病のなかで最も患者数が多いのがこの2型です。

妊娠糖尿病:これまで糖尿病でなかった人が、妊娠後にホルモン分泌の変化により、血糖値が上昇するものです。母体や胎児に影響が出ることがあるため、血糖値のコントロールが重要です。

その他:特定の薬の副作用や別の病気の一部の症状として発症するもの、または遺伝子異常がはっきりとわかっているものなどです。

特に2型糖尿病の治療はどうするの?

ここでは一番多くて、皆さんに関係が深い2型糖尿病についてお話しします。

先の説明でわかってもらえたと思いますが、糖尿病とは、血液中に使えない糖が溢れている病気です。これを正したり、そうならないよう予防したりするには……。

  1. 余計な糖分が入ってこないようにする。つまり「食事療法」ですね。ただやみくもに食事を減らすのはよくありません。血糖を急激に上げてしまうような砂糖分の多いお菓子やジュースを避ける。味付けも薄味に。ご飯やパン、麺などを適量(総カロリーの半分前後)にする。脂肪分も控えめに。お肉や魚も(特に脂肪の多いものに注意しつつ)適量にする。そして野菜を多めに食べる。これが基本です。詳細はいろいろな本などを調べたり、栄養士さんに聞いたりしてください。
  2. よい運動をする。「運動療法」ですね。食事をしてから1~2時間後、腕や足や体幹の筋肉を大きくリズミカルに動かすような運動(散歩、ジョギング、軽いダンスや体操、掃除など)がよいでしょう。
  3. それでも十分に血糖が下がらなければ、やむを得ず薬を使います。飲み薬をたくさん使っても下がらなければ(この場合、自前でつくる膵臓からのインスリンが枯れてしまっていることが多いです)インスリンの自己注射をしなければなりません。

生き方、行動、そして。

図2 2型糖尿病

もし、このような食事・運動療法をおろそかにして、薬やインスリンに頼ったらどうなるでしょう。たくさん食べる→血糖が上がる→薬やインスリンで血糖を筋肉や脂肪組織に押し込む、けれど運動しないので筋肉にはたくさんは入れない……。

すると、余ったブドウ糖の行き先は脂肪しかありませんね。そうです、どんどんと太ってしまいます。肥満になると、インスリンがさらに効きにくくなって……悪循環に陥り、解決にはなりません(図2)。

「できるだけ、バランスのよい食事を心がけ、甘いものを避けよう。お酒やたばこなどの習慣も改めよう。健康的に散歩をしよう…」。それは、思ったほど簡単ではありませんね。

忙しいとき、散歩にいけますか? 人からお土産のお菓子を勧められたとき、断れますか? 目の前においしそうなおまんじゅうがあるときに、手を出さずに我慢できますか? それは、あなたの行動~流されて、勧められて、つられて、つい食べ過ぎる・怠慢になる~という生き方を変えることです。

あなたの行動の一つひとつを望ましいものに変えていって、そして、より長く充実した健康長寿を味わってみませんか?

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