小児てんかんの診断と治療について
てんかんとは
「てんかん発作」は、脳の神経細胞が一時的に過剰に活動することで引き起こされる発作で、この発作を繰り返し起こすのが「てんかん」です。100人に1人くらいの頻度でみられ、国内全体では約100万人の患者さんがいます。決して珍しい病気ではありません。どの年齢でも発症しますが、お子さんやお年寄りに多くみられます。
てんかんの症状
「てんかん発作」にはさまざまな形があり、過剰に活動する脳の部位によって異なる症状が現れます。例えば、「全般性強直間代発作(ぜんぱんせいきょうちょくかんだいほっさ)」では、意識がなくなり、全身が硬くなった後に全身をガクガクさせます。「欠神発作(けっしんほっさ)」では、突然反応がなくなり、数秒間から30秒間ほど動きが止まります。
発作はほとんどの場合、数秒から数分以内に治まりますが、時に5分以上続くてんかん重積状態が起こることもあります。
「てんかん発作」は、てんかんの診断や治療方針を立てるときに重要な手がかりとなるため、発作の症状をよく観察しておくことは重要です。発作がどのような形をしていたかを書き留めておいたり、動画で記録を残しておくと良いでしょう。
てんかんの診断について
診断には、どのようなときに、どのような発作があったか詳しく話を聞くこと(病歴)が最も大切です。また、「発作」が繰り返し起こっているかも重要です。
検査では、脳波検査、血液検査、脳MRI検査などを行います。
脳波検査は、脳の神経細胞の過剰な活動を捉えるための検査です。目の前で光をチカチカさせたり、深呼吸を繰り返したり、眠ってもらったりすることで、「発作波」が出ていないかを確認します。1回の脳波検査では異常が記録されないこともよくあるため、繰り返して行うこともあります。
血液検査や脳MRI検査では、発作を引き起こす他の病気(低血糖や脳腫瘍(のうしゅよう)など)が隠れていないかを確認します。
てんかんの治療について
てんかんの治療では、脳の神経の過剰な活動を抑える薬(抗発作薬)を内服します。
抗発作薬は「てんかん」の原因を取り除くことはできませんが、「てんかん発作」を起こりにくくします。
どの薬を使用するかを決めるときには、てんかん発作の詳細、てんかんとなった原因、合併症、年齢、妊娠の可能性など、多くのことを検討する必要があります。
抗発作薬の内服を開始した後は、発作が治まるか、副作用がないかをチェックしながら継続します。発作が治まらなかったり、副作用で継続できないときは、薬を変更します。
抗発作薬を内服することで、大部分の発作は抑えられます。2~4年間発作が抑えられれば、薬をやめることを検討します。
抗発作薬を内服しても発作が抑えられないときは、脳外科的に手術ができないか検討します。
そのほか、ケトン食療法という特殊な食事療法や、首にある迷走神経という神経を刺激する治療(迷走神経刺激術)を行うこともあります。外科的手術や迷走神経刺激術を検討する場合には、他府県のてんかんセンターを紹介しています。



