緩和ケアとは
緩和ケアは、がんと診断された時から行う、体や心の苦痛をやわらげるためのケアです。
がん患者さんは、痛みや体のだるさといった様々な症状だけでなく、落ち込みや悲しみといった精神的な苦痛も経験します。
早い段階から緩和ケアを受けることは、がんの治療を続けることや生活の質(QOL)を高める助けになるという調査報告もあります。
当院の緩和ケアチーム・緩和ケア外来・緩和ケア病棟(エキナケア)では、患者さんとご家族が自分らしいい生活を送ることを支えるために、多職種で連携した専門性の高い緩和ケアを提供しています。
緩和ケアチームについて
緩和ケアを専門的に提供している医師等で構成された、下記のチームで活動しています。
看護師・医師・薬剤師・ソーシャルワーカー・管理栄養士・理学療法士作業療法士・心理職
チームの詳細はこちら 専門医療チーム「緩和ケアチーム」
※体や心がつらいときには、医師、看護師にご相談ください。
緩和ケア外来
担当外来 | 本館2階7番ブース・先進中央棟 1 階 S11 番ブース |
診療日 | 月・火・水・金 ※完全予約制 |
対象 | 体や心のつらさがある方 |
適応に応じて、神経ブロック(助間神経ブロックや腕神経叢(わんしんけいそう)ブロック、硬膜外ブロック等)や、緩和的放射線治療を実施しています。
また、必要に応じて他施設に紹介します。
受診をご希望の方は、医師、看護師にお申し出ください。
仕事や生活していく上での悩みは、担当スタッフをご紹介します。
緩和ケア病棟(エキナケア)
詳細はこちら 看護部「エキナケア(緩和ケア病棟)」
緩和ケア研修会
厚生労働省「がん対策推進基本計画」(平成19年6月)では、がんに従事するすべての医師が緩和ケアに関する基本的な知識、技術を身につけることを重点目標としており、さらに「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会の開催指針」を定め、がん診療に携わるすべての医師が質の高い緩和ケアを「いつでも、どこでも」適切に提供できるようにすることを目指しています。
がん治療中の食生活について
がんと栄養
がん治療中は、お薬の副作用や精神的ストレス、消化吸収力の変化など、様々な要因により栄養不良におちいることがあります。
栄養状態の悪化は体力低下を招くため、お身体の調子に合わせて食事や食べ方を工夫し、栄養状態を良好に保つことが大切です。
症状別 食事に困ったときのヒント
吐き気や嘔吐で食べられないとき
- 少量ずつ回数を増やして食べる
- 冷たく口当たりのよいものを選ぶ
- 油っこいものは控える
口内炎の痛みが強いとき
- 酢・香辛料・柑橘系の果物は避ける
- 熱すぎるもの、冷たすぎるものは避ける
何を食べても味がわからず、砂を噛んでいるようなとき
- 飲み込みやすさを重視し、喉越しのよいものや汁気の多い料理を選ぶ
…他にも「お腹が張ってつらい」「つかえ感があって飲み込みにくい」など、症状に応じた対処法を知っておくとラクになることがあります。
治療中の食事・栄養が不安なときは、栄養相談をご利用ください。
栄養相談
平日9:00~15:30(30分程度)
※予約制となっておりますので、ご希望の方は主治医の先生にお申し込みください。
がんのリハビリテーションについて
がんによる影響がある中でその人らしい生活を患者さん、ご家族自身が取り戻すことを目的としています。
がんのリハビリテーションの病期別の目的
1. 予防的
がんと診断されてから早い時期(手術、抗がん剤治療、放射線治療の前)に開始します。機能障害は起きておらず、予防を目的とします。
2. 回復的
機能障害や筋力、体力の低下がある患者さんに対して最大限の機能回復を目標とします。
3. 維持的
機能障害が進行している患者さんに対して運動能力の維持・改善や自助具の使用、生活指導を行います。
4. 緩和的
患者さんの要望を尊重しながら、身体的、精神的、社会的にも生活の質を保てるように支援します。